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これさえあれば何でもできる、進化系グループウェア最前線IT導入完全ガイド(2/4 ページ)

» 2017年07月03日 10時00分 公開
[小池晃臣タマク]

グループチャット、会議の自動スケジューリングなどが1つのサービスで利用可能

 ここからは、従来のグループウェアの枠組みを飛び出して、ビジネスの効率性を高め、リモートワークなどの新しい働き方に貢献する“進化系”グループウェアの最新動向を幾つか紹介しよう。

図1 「LINE WORKS」のトーク画面 図1 「LINE WORKS」のトーク画面(出典:ワークスモバイルジャパン)

 日本においてプライベートでのコミュニケーション手段の王道にもなっているメッセンジャーアプリ「LINE」を踏襲し、メッセンジャーを中心としたビジネス向けのグループウェアが「LINE WORKS」(ワークスモバイルジャパン)だ。LINEの使い勝手やカジュアルさはそのままに、企業でも安心して使える管理機能を備えたコミュニケーションツールとなっている。LINE同様の操作感で使いこなせ、おなじみのトークルームでのチャットが主体となっている。

 個人向けのLINEとの大きな違いの1つは、メール、掲示板、カレンダー、ファイル共有などグループウェアとしてのさまざまな機能をトーク画面などから呼び出して情報を連携できることにある。例えば、グループトーク中の相手を会議に招待する場合、会議を設定したい日程を幾つか指定すれば、自動的に全員のカレンダーから空いている時間と、その時間帯で空いている会議室をLINE WORKSが探し出す。あらかじめ参加必須の人間を設定しておけば、その人を最優先してスケジューリングが行われる。

 これにより、担当者が自ら複数の参加者のスケジュールをチェックし、伺いを立てながら予約する手間はなくなるのは大きいだろう。

図2 連絡先から会議のスケジュールを行い、カレンダーに自動的に登録する 図2 連絡先から会議のスケジュールを行い、カレンダーに自動的に登録する(出典:ワークスモバイルジャパン)

スマホからクラウドストレージにアクセスしてドキュメントを共有

 グループウェアにはファイルを保管したり、共有するためのストレージ機能が搭載されているケースが多い。LINE WORKSの場合は、個人専用、チーム単位、そして会社全体で共有と、大きく3つの区分けで使うことができるストレージ機能(Drive)が提供される(共有方法は設定によりさらに細かく分けることも可能)。

 外出中にスマートフォンのトーク画面から直接クラウドストレージの自分のドライブにアクセスし、ドキュメントを参照したり、ドキュメントを共有したりといった使い方もできる。Office文書やPDFのビュワーも内蔵しているので、客先で営業資料を見せるといったことも簡単にできる。

 また、ストレージ内のドキュメントは世代管理が可能で、PCからアクセスした場合、エクスプローラーにマウントして使うこともできる(Windows版のみ)。モバイルからドキュメントにアクセスする場合、閲覧のみ許可し、ダウンロードをさせないという設定も可能だ。端末内にはデータを残さないため、情報漏えいリスクの低減にもつながる。

モバイル使用を考慮したセキュリティ管理機能は?

 企業向けシステムとしてセキュリティ管理機能やトークログ・監査機能は欠かせない。ログを取得できて監査に対応できるのが当然であるメールと比べて、これまでは企業で使うメッセンジャーツールでも十分なログを残せないという傾向が強かった。しかし昨今のビジネス用のメッセンジャーツールはログを残し監査ができるようになっているものが多い。

 加えて、複数の端末から使用するのが前提となっているため、情報漏えい対策として利用できる細かい機能も有しているものが多い。例えばLINE WORKSの場合は、接続IPアドレスの制限(ブラウザ版、PC版)や、モバイルアプリの利用ユーザー制限など接続環境の制限や、情報漏えい対策としては、モバイル端末へのファイル保存の制限、モバイル版でのトークのコピー禁止、ワンタイムパスワードによるファイル共有、監査・モニタリング機能などが挙げられる。

 また、端末の紛失・盗難対策として、アプリケーション起動時のパスコード強制、リモートでのアプリケーション内データの削除や端末初期化、管理者による強制パスワード変更、アカウント一時停止といった機能を備えている。

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