最後に「営業部門独自のIT予算の有無」について尋ねたところ「ある」18.5%、「ない」43.1%、「分からない」38.5%となった(図3-1)。前回調査では「ある」14.6%、「ない」52.1%と営業部門独自のIT予算がない企業が過半数であったが、今回は4割ほどに下がり、その分、予算のある企業が3.9ポイント増加した。
これを従業員規模別に見ると、100人以下の中小企業では「ある」と回答した割合が5.4%から12.1%と6.7ポイント上がっており、同様に101人〜1000人以下の中堅企業では9.3%から16.5%まで7.2ポイント、1001人以上の大企業でも21.4%から22.9%と1.5%上昇と、全ての従業員規模で営業部門に一定のIT予算が付き始めている様子が見て取れた。
「営業部門独自のIT予算がある理由」も聞いている。全体の約8割を占めた一番大きな理由は「現場のIT化ニーズやシステム化要件に対応するため」だ。
ITが企業や社会のインフラとして普及されてきた昨今において経営やビジネスのスピードアップにはITによる作業の効率化や、デジタル化におけるデータの有効活用が必要不可欠だ。こと競合との戦いを交えることが多い営業部門では、ITやデジタル化とそれによる的確な判断の有無が敗因となり大きな打撃を受けるケースも少なくない。マーケティングやナレッジ共有、提案力の向上など、これまで挙げてきたような営業課題にいかに早く対応できるかが経営課題としても認識されてきたといえそうだ。
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