従来用いられてきた3Tierとの違いをまとめておこう。ここでは、「提案」「設計」「構築」「保守」の視点で、3Tierとの違いを整理していく。
まず提案については、構成そのものが汎用的なX86サーバを束ねるだけのシンプルなもので、SANスイッチやSANストレージなど特別な機器は利用しないことで、検討することが圧倒的に少ない。互換性(Compatibility)についても、提供するメーカーごとに確認する必要がなく、管理ソフトウェアも1つの環境で統合管理することが可能になる点も大きな部分だろう。機能については利用するHCIが採用する管理ツールの機能によってくる。
設計については、特にディスクIOの部分を考慮したストレージの設計が3Tierでは必要になるが、HCIであれば、ソフトウェアによってIOを効率的に分散するため、RAIDグループなどの設計は特に意識する必要がない。ボリュームの自由な切り出しも容易だ。
構築面では、当然パッケージング化された形で提供されるため、個別に組み上げていく3Tierよりもキッティングやセットアップが容易なことは想像がつくだろう。構築ステップも、各機器のインストールから始める3Tierに対して、HCIであればボリュームを作成したうえで管理環境尾構築するだけで済む。
保守については、構築するインテグレーター全て面倒を見ることもあり、ユーザーからすれば大きく変わらない部分もあるが、ファームウェアやハイパーバイザーなどのアップグレードは仮想マシンを停止することなく行うことができるなど、停止調整など複雑なプロセスを経ずに実行することができる点が大きな違いとなる。
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