ここからは以降計画の策定時に注意すべきポイントを整理していく。
一般ユーザーが利用できるWindows 10には、大きく分けて「Home」「Pro」「Enterprise」の3種類のエディションが存在する。このうち「Home」は家庭用途向けのエディションなので、企業ユーザーは「Pro」か「Enterprise」のうちのどちらかを選ぶことになる。
ちなみにEnterpriseエディションは、ボリュームライセンスである「Microsoftソフトウェアアシュアランス契約」を締結している企業のみが利用できる。ほとんどの大企業は既にこの契約を結んでいると思われるため、まずはEnterpriseエディションが第一の選択肢となるだろう。EnterpriseエディションはProエディションと比べ、セキュリティ機能や管理機能が充実しているため、企業用途においては採用メリットが極めて大きい。
問題は、これまでボリュームライセンスを締結せず、購入したPCにプリインストールされているWindows OSをそのまま使ってきた中堅・中小企業だ。中には、家庭用モデルのPCとそこにインストールされたHomeエディションのWindowsをそのまま使い続けてきた企業もあるかもしれないが、Windows 10移行を機に最低でもProエディションには上げておきたい。
また、ある程度以上の数のクライアント端末を運用している企業であれば、ボリュームライセンス締結によるEnterpriseエディション導入も検討する価値ありだ。EnterpriseエディションはOSそのものの機能もさることながら、OSのサポートの面でも優遇を受けられる可能性があるからだ。
現在、Windows 10のサポート期間は「Feature Updateがリリースされてから18カ月間」と定められているが、Enterpriseエディション(および教育機関向けの「Educationエディション」)はさらに6カ月間延長され、2年間のサポートを受けられる。この優遇策は、半年ごとのFeature Updateのたびに業務アプリケーションの動作検証に追われる企業にとっては価値が高いはずだ。
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