コモディティ化と海外メーカーの台頭をきっかけに、日本企業のPC事業撤退が相次ぐ中、2019年、新たなPCメーカーが誕生した。国産PCメーカーのDNAは受け継がれるようだ。
「dynabook」*シリーズを軸とする東芝のPC事業を引き継ぐ形で発足した東芝クライアントソリューション(TCS)がシャープ傘下に加わったのは2018年10月のことだった。
シャープは多くの読者が周知の通り、Foxcon Technology Group(鴻海科技集団。以降、鴻海)グループに属する企業だ。つまりTCSも鴻海グループ傘下の企業ということになる。
グループ入り後もTCSは「dynabookブランドを存続する」と明言していたが、2018年12月3日、中期経営計画を発表する際に、翌2019年1月1日より社名自体を変更することも発表していた。そして誕生したのが東芝にとって長い歴史のあるブランド名を冠したPCメーカー「Dynabook株式会社」だ。
新たな道を歩き始めたDynabookとして初めて市場に投入するのが「dynabook30周年記念モデル」だ。
* Dynabookでは、社名を「Dynabook」(Dは大文字)、製品ブランドを「dynabook」(dは小文字)と書き分けている。本稿もこのルールにのっとって表記する。
Dynabookは新会社発足に合わせて公式ブランドサイト「dynabook.com」もリニューアルした。dynabook製品のスペックやサポート情報に加え、dynabookの歴史、使用方法のTipsなども掲載する。
この新ブランドサイトのオープン時にティーザー広告的に掲載されていたのが「dynabookブランド30周年記念モデル」だ。どういった外見・スペックなのか、発表を心待ちにする往年のdynabookファンが少なくなかったが2019年1月17日に都内で開催された製品発表会でお披露目となった。
製品名は「dynabook G」シリーズ。法人向けモデルは同日、個人向けモデルも2019年1月24日に発売された。
「Dynabookとシャープの技術が融合した商品の第一弾が、この30周年記念モデル『Dynabook Gシリーズ』。これぞノートPC『The Note PC』だ」(Dynabook会長(兼シャープ 副社長)の石田佳久氏)
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