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BizRobo!と協働するビジョンは?――Kofax社のダン・グッド氏とジョン・ポール・スナイダー氏に聞く

» 2019年03月05日 10時00分 公開
[相馬大輔RPA BANK]

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RPA市場をリードするさまざまな技術を所有

国内のRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)市場のなかで国内No.1の実績を持つRPAテクノロジーズ株式会社の「BizRobo!」。米国Kofax社とRPAテクノロジーズ社がなぜ協働しBizRobo!を創造するのか?その誕生の背景やビジョン、これからのRPAが果たす役割ついて、Kofax社のキーマンお二人にインタビューを実施した。

―自己紹介をお願いします。

ダン・グッド氏: 私は事業開発マネージャーとして、グローバルOEM販売チームを管理しています。具体的には、RPAテクノロジーズ社の「BizRobo!」や、Kofax社の「Kofax VRS」と「Kofax Express」といった製品の販売代理店とのパートナーシップにおける責任者をしています。私は2007年にKofax社に入社し、2014年からBizRobo!を担当してきました。日本におけるRPA市場の先駆者であるRPAテクノロジーズ社を支援してきたこの数年は、我々にとって非常にエキサイティングでした。今後も、RPAテクノロジーズ社との強いパートナーシップに基づいて、日本全国での新しい事業機会が創出されることをとても楽しみにしています。

ジョン・ポール・スナイダー氏: 私はグローバル取引管理ディレクターとして、Kofax製品を取り扱っているパートナー企業様と当社がウィンウィンになることをミッションに掲げ、高付加価値で複雑な取引に携わるチームを管理しています。 私は1999年にKofax社に入社し、2014年からRPAテクノロジーズ社を支援してきました。ダンが先ほどお話ししたように、私もRPAテクノロジーズ社とのパートナーシップはお互いにとって非常に有益で、今後も我々の事業は継続的に成長していくと思っています。

左から:ジョン・ポール・スナイダー氏とダン・グッド氏

―御社の主力製品の優位性について教えてください。

RPAはソフトウェアロボットを使用して反復的な作業や手作業によるプロセスを自動化し、従業員の労働力を増強するソリューションであり、この数年、市場が急成長し話題になっています。RPAを活用することで組織の効率及び業務の生産性が高まり、その結果として、顧客との信頼関係の維持向上やコスト削減などが実現されます。

我々の主力製品であるKofax RPA(旧製品名:Kapow)は、複雑で高度な業務プロセスを自動化したいという組織のニーズに完全に対応できる次世代機能を搭載し、速やかなスケール化とTCO(総所有コスト)削減を実現します。本製品は、技術者ではない経理部門や事業部門の方でも簡単に操作できる開発環境を有している点が特徴です。と同時に、IT部門の経験豊富なプログラマーにとっても充分かつ、とても高い性能を備えていると自負しています。

RPA市場をリードする技術であるWebアプリケーションオートメーション(web application automation)とインテリジェントスクリーンオートメーション(Intelligent Screen Automation)により、Kofax RPAは高度な柔軟性を発揮するとともに、工数削減を実現します。2018年11月にリリースされた最新製品にはさらに、AIを搭載した文書認知自動化(cognitive document automation, CDA) 機能がついており、機械学習及びニューラルネットワークにより、業務プロセスにおけるドキュメント(文書、電子メール、画像などの非構造化データを含む)と電子データの取得、認識及び統合の自動化を実現しています。

日本及びアジアにおけるRPAのニーズに応えるために、我々とRPAテクノロジーズ社が提携し、あらゆる日本の現場に合わせ、Kofax RPAに加えた機能を強化・拡張させた製品が「BizRobo!」です。特に労働力不足の課題に直面している日本市場において、BizRobo!は日本企業のデジタルレイバーに対するニーズに応えられる最適なソリューションだと確信しています。

Kofax RPAを日本向けに発展させたものが「BizRobo!」

―お二人から見るBizRobo!とはどのようなものでしょうか? また、BizRobo!はKofax RPAにどのような付加価値を追加しているのでしょうか?

Kofax RPAは主に日本市場をターゲットにしたBizRobo!ソリューションの技術基盤の一部を提供しています。その上でRPAテクノロジーズ社は自社、他社の技術やソリューションを有機的に連携させることで、日本企業におけるデジタルレイバーのスケール、管理及びモニタリングへのニーズに沿った基盤ソリューションをBizRobo!としてつくりあげています。その思想がKofax RPAと大きく異なる点です。

また、BizRobo!の幅広い課金モデルの中で、従量課金モデルは、Kofax RPAの販売モデルとは異なりますので、従量課金モデルのKofax RPAを導入したい企業は、BizRobo!を導入することを勧めます。

RPAテクノロジーズ社は長年デジタルレイバー事業を手掛けており、蓄積した経験とノウハウに基づいた優れたサポートを顧客企業に提供しています。また、RPAテクノロジーズ社は日本市場においての顧客やあらゆる業界のパートナーと密に連携することにより、常に市場の多様なニーズを把握し、デジタルレイバーの管理運用を普及拡大させるために適した活動を全国で行っています。RPAツールの販売活動とは一線を画すビジネスビジョンを長年続けている点もRPAテクノロジーズ社ならではのものといえます。

―BizRobo!はどのような背景で生まれたのでしょうか。またBizRobo!に力を注いだ理由について教えてください。 

RPAテクノロジーズ社の大角暢之社長とは、Kofax社がデンマーク創業のKapowを買収した時に出会いました。当時はまだRPAというバズワードはありませんでしたが、彼がよく口にする「ロボット派遣」や「デジタルレイバー」のビジネスモデルは極めて未来的であり、大変興味深いと思いました。

BizRobo!の大きな可能性を感じたのは、2013年サンディエゴで開催されたKofaxクライアントカンファレンスにおいて、BizRobo!の初期からのユーザーである日本生命保険相互会社様が導入事例をプレゼンした時でした。当時そのプレゼンを聞いたみんながデジタルレイバーの可能性に衝撃を受けた様子を今でも覚えています。その後、まもなくして我々は資本提携とグローバルパートナー契約を締結しました。それ以来我々は、製品面及びマーケティング面においてとても有益な連携を継続しています。

同じビジョンとミッションに向かって一心同体

―Kofax社とRPAテクノロジーズ社はどのような関係でしょうか?

RPAテクノロジーズ社と我々は密に連携しており、お互いになくてはならない「相棒」のような存在です。RPAテクノロジーズ社はあるべき市場観点からKofax社の様々なソフトウェア を定期的に評価し、改善するために非常に有益なフィードバックを常に提供してくれます。我々が顧客と市場のニーズを深く理解し、製品ロードマップを継続的に改良できているのも、RPAテクノロジーズ社が顧客やパートナーからソフトウェアの具体的な機能リクエストや課題を密に提供してくれているからです。

我々が提供するコアのエンジンに加えて、RPAテクノロジーズ社は拡張機能や他社技術を組み合わせて、デジタルレイバーソリューションパッケージとしてのBizRobo!を提供しています。さらに、我々はドキュメント(Kofax TotalAgility)、プロセスインテリジェンス(Kofax Insight)やAI関連技術を提供しており、RPAテクノロジーズ社のBizRobo!ソリューションが日々変わりゆくRPAニーズに対応できるように支援しています。これは非常に有益なビジネス提携だと思っています。

まさに、RPAテクノロジーズ社とKofaxは、日本やアジアに於ける多様な労働市場の課題をデジタルレイバーによるソリューションで解決するための最良のパートナーと言えます。

我々は大角社長がよく語る「RPAはツールとしてではなく、より価値の高い業務やビジネスの目標を達成するためのデジタルレイバー/デジタル人材ソリューションとして考えるべき」という意見に強く同意しています。日本の労働年齢人口が減少し、人口の高齢化が進む中で、デジタルレイバーの導入はITシステムよりも、人材不足による課題解決に役立ちます。

―将来のビジョンと使命は何ですか?

最初に大角社長と出会った時、彼は日本企業の低い生産性についてこのように語っていました。「日本では、SIコンサルタントや経営者が解決できずにいた、不毛な労働に人材が費やされており、その状況が日本の生産性を劣悪にしている。その元凶を初めてBizRobo!で解決できる」。彼がBizRobo!事業のミッションとして挙げているのは、「人間を退屈で時間のかかる作業から解放し、生産性を高め、新しいスキル(RPAロボットを開発する等)を習得させ、なおかつ家族と素敵な時間を過ごすことを可能にすること」であり、私たちはこのミッションにとても深く共感しています。

もちろん、Kofaxの目標は、より多くのソフトウェアを販売することです。しかし、その意義を支えるものとしてミッション/ビジョンが必要です。我々の製品は、Kofax RPA OEMチームが生み出す付加価値によって、他社製品との差別化を図っています。これは、RPAテクノロジーズ社のミッション/ビジョンと一致しています。

「ワーク・ライフ・バランス」を一歩進めた「ワーク・ライフ・インテグレーション」が重視されている現在において、我々はRPAテクノロジーズ社と協力して、ビジョンの実現に向けた役割を果たしていこうと思っています。そのために、私たちはRPAテクノロジーズ社に最先端の技術を提供し、同社がデジタルレイバープラットフォーム事業を日本市場だけではなく、アジア、グローバル市場で更に拡大できるようにこれからも支援していきます。

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