GoogleとFacebookから135億円をだまし取った男の手口とは:507th Lap
仕事で使うメールアドレスに「請求書」といった件名でメールが届くことがある。怪しい感じのExcelファイルも添付されていて「ああこれは開いたらダメなヤツだ」と多くの人は判断するだろう。だがGoogleとFacebookは、だまされた。
ケータイに届くような「架空請求メール」とは違い、ビジネス向けのメールアドレスに届く詐欺メールは職種によっては「あれ、これって何だっけ?」という反応をせざるを得ないこともある。
海外の複数の報道によれば、GoogleやFacebookという超大手IT企業に詐欺メールを送り、日本円にして135億円もの大金をせしめた人物が逮捕された。一体どんな手口を使ったのか。
リトアニア人のエヴァルダス・ライマサウスカスは、台湾に実在するクアンタ・コンピュータの担当者を名乗り「未払いの代金があるので、指定の銀行口座に入金してください」というシンプルなメールを送った。偽造した納品書と請求書の他、それらしく見えるように契約書や署名を入れた手紙なども添えた。
次にクアンタ・コンピュータの重役になり切って「先ほど、うちの従業員がメールを送った。よろしく頼む」といったメールを出した。詐欺メールの信ぴょう性を高めるためだ。ライマサウスカスはバルト三国の1つであるラトビアにクアンタ・コンピュータの偽海外支社を実際に設立し、銀行口座を開設していた。先の指定口座がこれだ。
GoogleとFacebookはあっさりとだまされ、両社とも複数回にわたって請求された金額を支払ってしまった。総計するとGoogleが約2300万ドル、Facebookが約9900万ドルだ。指定口座に振り込まれた金は、すぐにキプロス、リトアニア、ハンガリー、スロバキアなどに用意した口座に送金された。いわゆるマネーロンダリングだ。
不審に思ったGoogleの調査によって詐欺が発覚し、ライマサウスカスの身柄は確保され、米国で裁判にかけられている。罰金5000万ドルと最高で30年の懲役が言い渡される可能性がある。
なお、米国の裁判資料は被害に遭った企業名を伏せていたのだが、リトアニアの裁判資料に記載されていることをロイターが見つけてしまった。GoogleもFacebookも、できれば触れてほしくなかっただろうな。
上司X: GoogleとFacebookが、あっさりと詐欺メールにだまされちゃったという話よ。
ブラックピット: いやいや、「だまされちゃった(笑)」って額じゃないですよ。
上司X: 誰も「(笑)」とか言ってないし。これは深刻な話だよ。
ブラックピット: だまし取られたお金ってどうなるんですかね。だまされ損、盗まれ損みたいな感じなんでしょうか。
上司X: 日本の場合だと、特殊詐欺事件は刑事裁判の際に犯人サイドから盗られた分の金を取り戻すことができるらしい。でもこれは米国の話だし、アチコチに分散されちゃったみたいだし。
ブラックピット: 気付いたときにはもう手遅れという感じでしょうか。たくさんもうけている会社ですから気にならないのかもしれませんね。
上司X: そんなことはないだろう、きっと大損害だよ。それはいいとして、俺たちエンジニアだってこういうメールには気を付けねばならないと思うよ。
ブラックピット: 僕がボンクラでも担当部署が優秀だから大丈夫じゃないですか。そういえば今朝、取引先っぽいところから来た、請求書っぽいメールを、経理っぽいところにポイッと転送しておきましたよ。
上司X: おいおい、短いセンテンスに「ぽい」が多過ぎるぞ。休憩から戻ったら憤怒の表情の経理部長が仁王立ちで待っているなんてことにならないだろうな?
ブラックピット(本名非公開)
年齢:36歳(独身)
所属:某企業SE(入社6年目)
昔レーサーに憧れ、夢見ていたが断念した経歴を持つ(中学生の時にゲームセンターのレーシングゲームで全国1位を取り、なんとなく自分ならイケる気がしてしまった)。愛車は黒のスカイライン。憧れはGTR。車とF1観戦が趣味。笑いはもっぱらシュールなネタが好き。
上司X(本名なぜか非公開)
年齢:46歳
所属:某企業システム部長(かなりのITベテラン)
中学生のときに秋葉原のBit-INN(ビットイン)で見たTK-80に魅せられITの世界に入る。以来ITひと筋。もともと車が趣味だったが、ブラックピットの影響で、つい最近F1にはまる。愛車はGTR(でも中古らしい)。人懐っこく、面倒見が良い性格。
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