ここで問題となったのが、データをまとめる作業が煩雑なことだ。例えば加藤氏の場合、毎週あるいは毎月開かれる会議のため、複数の部門からデータを集めてはExcelを使って集計し、多くの資料を手作業で作成していた。
「当時よく作成していたのはわれわれの独自指標である『お客さまの維持率』や『潜在顧客の数』『新規顧客にアプローチした際の勝率』といったデータをグラフ化したものです。これらは、当時から使っていた顧客関係管理(CRM)ツールやSFAでも確認できます。ただ、SFAのダッシュボードやレポート機能だけでは、レポートに必要な情報を得るには不十分な面があると感じていました」(加藤氏)
同社はSaaS型のCRMやSFAを採用しているが、各ツールが提供する機能は各部門内の業務に最適化されている。
これらのツールを利用することで各部門の活動状況をデータ化でき、次のアクションプランを見やすくなる。だが「現状が過去の実績と比較してどうか」「それらの情報をより大きな軸で他の情報と比較した場合にどうか」といった部門を越えた視点での分析やレポートを前提とした機能は備わっていない。
「例えばある時点の商況は確認できるのですが、顧客や市場全体のトレンドをつかむのが難しいのです。社内のマーケティング部門ではMAツールを、全社の基幹システムはERPを使っていて、それらを組み合わせてデータを導く必要性もありました」(加藤氏)
これらの問題を解決するため、さまざまなツールから抜き出したデータを加工し、Excelで加工する作業が必要になった。だが圧倒的に作業にかかるコストと成果が見合わないと感じていたという。そこで、対策を打つことを決定する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
製品カタログや技術資料、導入事例など、IT導入の課題解決に役立つ資料を簡単に入手できます。