ITツールによってより広い範囲での情報共有が可能となり、日々の業務コミュニケーションがデジタル化、データ化されることで情報伝達が容易になる。「Microsoft Teams」などのコミュニケーションツールには、従業員同士のやりとりや知識、ノウハウがデジタル化され、蓄積されている。
しかしながら、利用範囲が限られた部署や部門に閉じられていては、せっかくの有用な知識やノウハウも組織全体で共有できず、デジタルツールの活用メリットを最大限に享受できない。
こうしたセクショナリズムによって組織間の情報共有が進まず、「他の部門が何をやっているのかが分からない」といった声が聞かれる。原因の一つとして他部門の業務に対して従業員が無関心なことが考えられるが、関心を持っていたとしてもそもそも組織全体で共有されていなければ情報を得ることもできないはずだ。
従業員それぞれの業務内容や関心事、知識、ノウハウが社内に広く共有されている状態が望ましいが、それを実現するのは容易ではなく、そうした組織文化を作るには時間を要することもある。
乗り越えなければならないのが「知識やノウハウを形式化するスキルやツールの使い方の習得」や「知識やノウハウを共有し合う社内文化の醸成」だ。
近ごろの面白い傾向だが、ITツールの導入に合わせて「文書の書き方」に関する社員研修に興味を持つ企業が出てきている。コミュニケーションツールでやりとりされる情報をいかに有益なものにするかに注目が集まっているようだ。チャットによるコミュニケーションが増えたことで、簡潔で分かりやすいテキストを書くスキルがこれまで以上に必要になったのだろう。
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