4月1日の恒例行事となった企業各社によるエイプリルフールネタ。Googleも他社に負けじと過去に「Google日本語入力プチプチバージョン」などのネタを披露してきた。そのGoogleが4月でもないのにネタのような発表をした。今回は笑ってはいけない"本気"の内容のようだ。
エイプリルフールでも何でもない時期に、Googleがトンデモない製品を発表した。一見すると、「それって本気なの?」と思わず突っ込みたくなる謎のデバイスだ。
PCと関連があるもので、ヒントは「お茶」だ。こう聞くと、ますます分からなくなるだろう。「ネタ」と見紛うGoogleイチオシの製品とはいったいどのようなものか?
Googleの“新製品”とは、2021年10月1日に発表された「Gboard 湯呑みバージョン」だ。専用のWebサイトも開設済みだ。
外観は円筒型の「湯飲み」である。すし屋で見かけるような、魚の種類を1文字で表現する、魚偏(うおへん)の漢字がプリントされた湯飲みだ。そして漢字がそれぞれキーになっている。「鯵(あじ)→あ」「鰯(いわし)→い」のように、魚の名称の頭文字が「あいうえお」順にキー配列されている。温かい湯飲みを抱えるスタイルで、両手の指でポチポチとキー入力するキーボードデバイスだ。
キーボード内部にお茶を注いで飲むこともできる。製品サイトでは「キーボードにお茶をこぼす。日常茶飯事ですよね。お茶をキーボードから分けるのではなく、ならばいっそくっつけちゃおう」とあり、Webサイトでは開発に関わったGoogleの関係者たちがこのキーボードの開発理由を大真面目に解説している。以下は、Googleが公表するGboard 湯呑みバージョンの製品仕様だ。
インタフェース | USB Type-C |
---|---|
キー数 | SSI(スシ)配列 58キー |
キー仕様 | ロープロファイルメカニカルスイッチ |
キーピッチ | もちろんピッチピチ |
ストローク深さ | やけどしない深さ |
押下圧 | リラックスしながら押せる強さ |
サイズ | 一息つくのにちょうどいいサイズ |
本体重量 | 手に馴染む重さ |
容量 | 125ml |
動作時温度(回路部) | -10〜60℃ |
湯呑み部温度範囲 | -20〜140℃ |
入力については「魚/かな」キーの押下によって「かな入力」と「お魚(おさかな)入力」を切り替えることができ、魚の漢字を直接入力することもできる。これで、難しい魚偏の漢字もワンタッチで入力できるというわけだ。
製品サイトを見るとエイプリルフールネタと思えなくもないが、このキーボードは間違いなくGoogleが公式に発表したものだ。Googleによれば、10月1日は天正15年(西暦1587年)に豊臣秀吉が北野天満宮で大規模なお茶会「北野大茶湯」を開催した日だという。
製品として発売するわけではなく、GoogleがGitHubで公開している設計書に沿ってユーザー自らが組み立てる必要がある。
Webサイトで公開されている解説動画は2020年3月以前に撮影されたものとあり、2020年のエイプリルフールに合わせて企画立案されたものだと予想される。Googleはこれまでも同様のキーボードネタをエイプリルフールに向けて幾つか発表した。
2020年4月と言うと、コロナ禍が深刻化し始めた時期でもある。例年行われてきたエイプリルフールネタも自粛せざるを得ない雰囲気だった。お蔵入りしかけたものが、このタイミングで公表されたということではないだろうか。
これはあくまで推測にすぎないが、一見ふざけたようなGboard 湯呑みバージョンの発表は、世間の明るい兆しを感知した同社のサプライズだったのではないだろうか。コロナ禍に関する不安は尽きないが、1つの光明として捉えたいものだ。
上司X: Googleが「Gboard 湯呑みバージョン」というハードウェアキーボードを発表したという話だよ。
ブラックピット: 湯飲み型キーボードですか。
上司X: あれ、リアクション薄いね。
ブラックピット: なんと言いますか、この既視感が僕をそうさせるのでしょう。
上司X: Googleはこのキーボード系ネタを、今まで何度もエイプリルフールネタにぶっ込んでるからね。
ブラックピット: とは言っても、実際に使えるよ的なところがGoogleらしいですよね。なんかズルい……。
上司X: ズルいってことはないだろうに。
ブラックピット: しかしまあこのタイミングでこういう明るいネタをGoogleが送り出したというのは、暗い世の中を少しでも明るくしたいという思いからですかね。色んなことがあって疲れているんですよ、世間の皆さんは。僕もですけど。
上司X: 俺とキミのこのやりとりもここしばらくリモートだからな。そろそろ直接会って暴言を吐き合いたい……というわけでもないが、そろそろ終息してほしいところだ。Googleのこのしょうもない、いや失礼、この楽しいネタが明るい未来の一端であることに期待したいものだよ。
年齢:36歳(独身)
所属:某企業SE(入社6年目)
昔レーサーに憧れ、夢見ていたが断念した経歴を持つ(中学生の時にゲームセンターのレーシングゲームで全国1位を取り、なんとなく自分ならイケる気がしてしまった)。愛車は黒のスカイライン。憧れはGTR。車とF1観戦が趣味。笑いはもっぱらシュールなネタが好き。
年齢:46歳
所属:某企業システム部長(かなりのITベテラン)
中学生のときに秋葉原のBit-INN(ビットイン)で見たTK-80に魅せられITの世界に入る。以来ITひと筋。もともと車が趣味だったが、ブラックピットの影響で、つい最近F1にはまる。愛車はGTR(でも中古らしい)。人懐っこく、面倒見が良い性格。
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