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» 2021年12月13日 07時00分 公開

自治体で広がる「シェアDX」 IT人材不足を乗り切る公共機関の意外な強み

自治体はDX人材不足と限られた予算の中でデジタル化を進めなければならない。その難題の解決策として提案されているのがIT内製化だ。これをもう一段進めるアイデアとして「シェアDX」が提案されている。その詳細と事例について自治体DX推進のキーマンが語った。

[土肥正弘,キーマンズネット]
サイボウズ 瀬戸口紳悟氏

 「行政のDX(デジタルトランスフォーメーション)は(デジタル田園都市構想を掲げる)岸田政権下でも喫緊の課題とされています」と語るのは、サイボウズの公共特化営業チームの瀬戸口紳悟氏だ。総務省は2020年に「自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画」を策定し、2021年10月にはデジタル庁が発足し、政府・自治体のDX推進が本格化する状況にある。一方で自治体においては、職員数の減少や業務量の増加が続いており、業務の改善および効率化が求められる。

本稿は、サイボウズが2021年11月26日に開催した「サイボウズ Media Meetup Vol.8」での講演「『シェアDX』が変える日本の未来」を基に編集部で構成した。

課題の多い行政システムのDX、進むノーコード開発ツールの導入

 DX人材が不足する自治体では、DXの推進に幾つかの「壁」を感じている。業務内容がニッチなため、パッケージソフトでは対応できず、結局は「Microsoft Excel」のマクロを駆使したような個人技に頼った個別ツールが乱立する。これでは担当者が異動すると業務の引き継ぎに支障が生じるリスクがある。中央省庁の場合は自治体よりも厳しいセキュリティや運用のガイドラインが設定されている場合もあるため、民間企業に比べIT開発や運用の負担はさらに重くなる。

 課題の多いシステム運用状況を打破する方法として注目を集めるのが、ドラッグ&ドロップなどの操作でアプリを作れるローコード/ノーコード開発ツールだ。サイボウズのkintoneは、政府情報システムのセキュリティ評価制度(ISMAP)に準拠し、総合行政ネットワーク(LGWAN)への接続要件も満たしている。

図1 プログラミングによる開発とローコード開発のイメージ比較

 2019年から兵庫県神戸市や千葉県市川市などで導入が始まり、2020年にはコロナ禍対応での需要増を受けて県庁、中央省庁での利用が広がった。2021年には各種助成金の活用やワクチン接種関連の運用業務など多様な用途のアプリ開発に利用され、現在は138自治体が導入している。以降で、3つの自治体におけるアプリ開発内製化の成功事例と「シェアDX」の効果を見ていく。

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