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創造的な仕事のみをヒトにお任せ UiPathの長期戦略「セマンティックオートメーション」の第一歩

RPAは単純作業を自動化するものから、AIやクラウドサービスを活用してエンドツーエンドの自動化をするサービスへと進化してきた。UiPathが推進する、エンドツーエンドの次のステージ「セマンティックオートメーション」と、その第一歩となる最新版プラットフォーム「UiPath 2021.10」を紹介する。

» 2021年12月15日 17時45分 公開
[元廣妙子キーマンズネット]

 2021年12月1日にUiPathは最新版プラットフォーム「UiPath 2021.10」を発表した。「UiPath 2021.10」は、新たな自動化のステージとなる「セマンティックオートメーション」の第一歩となり、100以上の新機能および強化機能が追加された。

 最新版プラットフォーム「UiPath 2021.10」の強化ポイントと「セマンティックオートメーション」について、UiPathの長谷川 康一氏(代表取締役CEO)と原田英典氏(プロダクト&イベントマーケティング部)が語った。

 原田氏は「UiPath 2021.10」の注目すべきポイントとして、「エンタープライズ規模の管理運用」「プラットフォームの拡大」「自動化業務の連携」「ユニバーサルプラットフォーム」(クラウドとオンプレミスの融合)の4点を挙げた。

エンタープライズ規模の管理運用

 近年、UiPathの製品はデスクトップや部署単位でなく、全社規模での利用が増えた。10万台を超える規模でロボットを利用する企業が現れ、ロボットの運用工数の増加が問題となった。「UiPath 2021.10」ではエンタープライズ向けの運用性が強化され、管理工数の削減が可能だ。

 「Robot Self-Healing」(ロボット自己修復)機能では、ロボットの実行画面が変更された際のセレクターや画面要素の取得を自動化し、「UiPath Studio」「UiPath Robots」「UiPath Assistant」の自動化環境をワンクリックで更新できる。

 セキュリティにおいてはCrowdStrikeとのパートナーシップにより、業界で初めてRPA向けのエンドポイントのセキュリティ対策が可能になる。認証においては、Azure Active DirectoryおよびEasy SSOとの連携によるシングルサインオンが可能で、エンタープライズ向けの機能が充実した。

図1 運用機能やセキュリティの向上でエンタープライズ向けに強化

 以降、残りの3つのポイント「プラットフォームの拡大」「自動化業務の連携」「ユニバーサルプラットフォーム」(クラウドとオンプレミスの融合)と、「セマンティックオートメーション」について解説する。

プラットフォームの拡大

 新製品の「UiPath Integration Service」は、クラウドサービスのAPIコネクターを200以上提供しプラットフォームの機能を拡大できる。

 原田氏は「例えばSalesforceのAPIコネクターをセットアップし、UiPath Studio内で自動化ワークフローに組み込めます。Salesforceの値が変わることをトリガーに、自動でロボットを実行する機能も実装されてます」と述べる。

 APIコネクターで連携する自動化だけでなく、レガシーテクノロジーと最新テクノロジーが混在する業務の自動化も可能で、APIアクセスの一元管理もできる。

 新機能として「Cross-Platform Robot」を提供開始し、UiPath RobotsがLinux上でも動作し、今後はMac OSにも対応予定だという。

図2 他サービスとの連携を強化しプラットフォーム機能を拡大

自動化業務の連携

 自動化の対象業務を発見する際に利用する「UiPath Process Mining」「UiPath Task Mining」「UiPath Automation Hub」の3製品については、ユーザー環境がオンプレミスかクラウドかに関わらず利用できる。ロボット開発の進捗が把握しやすくなるよう「UiPath Automation Hub」と「UiPath Studio」の連携機能が追加され、「UiPath Automation Hub」と「UiPath Studio」が連携し、ロボット開発の進捗がより把握しやすくなった。

図3 オンプレミスとクラウドで継続的な業務分析を実施

ユニバーサルプラットフォーム(クラウドとオンプレミスの融合)

 「Kubernetes」をベースとして展開される「UiPath Automation Suite」によって、今後はUiPathの全てのサーバ製品がクラウドとオンプレミスの両方で利用可能だ。UiPathの全サーバ製品をKubernetesでコンテナ化し、プラットフォーム管理ツールと統合して提供する。用途に応じて機能や環境を選択でき、統合運用するインフラやクラスタの保守機能も実装されている。

 「UiPath Automation Cloud」も強化され、「UiPath Automation Hub」と「UiPath Test Manager」が新たにSOC2に対応した。「UiPath Automation Cloud」のログ出力をするなど、クラウドストレージの連携も強化された。

図4 Kubernetesベースのプラットフォーム管理ツール

UiPathの長期製品戦略「セマンティックオートメーション」

 長谷川氏は「オートメーションが業界や企業、個人のビジネスの文脈を理解することで、人間と同じ作業ができるようになります。人間は最終的な判断や創造的な考え方に集中できるようになり、可能性をより広げていく。それがUiPathの長期の製品戦略、セマンティックオートメーションです」と述べる。

 同氏は「会社が持つデータや非定型のドキュメント、利用しているアプリケーション、固有の業務プロセス、業界の一般的な知識もオートメーションが理解し、自動化の提案や学習をします。日本全国に業務自動化が広がり、オートメーションが経験を蓄積すれば、自動化の精度向上が期待できます」とも述べた。

 最新版プラットフォームの「UiPath 2021.10」がセマンティックオートメーションの第一歩となる。

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