人材採用における年齢の上限設定は以前から禁じられているが、多くの採用現場では「公然の事実」として残っている。ただ、求職者側から年齢制限を取り払う方法があるという。その方法とは。
転職市場において、40歳以上の人材を選考外とするような年齢制限は何十年も前から禁止されている。しかし採用現場では「公然の事実」として残っている。
ただ、現在の逼迫した転職市場では、人事担当者は採用担当者の年齢への偏見を抑制するよう働きかけるだろう。
そんな中、求職者側が市場心理を理解し、年齢制限を取り払う方法があるという。人事領域の専門家がその方法を語る。
「採用活動において、20年以上前の経歴や経験はあまり参考にならない。候補者は今までのキャリアをアピールするより、他の求職者とは違う経験をしている点を主張するべきだ」
キャリアコンサルタントのステイシー・ハラー氏は、Resume Builderの調査結果を分析し、このように述べている。
数十年のキャリアを持つ求職者にとって、キャリアを強調しない就職活動は精神的な負荷がある。しかし、良い点もあるとハラー氏は言う。求職者は自ら「年齢制限を取り払える可能性」を持っているというのだ。
HR Diveがハラー氏にその方法を問い合わせたところ、「求職者は2000年より前の経歴を伏せ、レガシーな技術への言及を避けて求職活動をするべき」と答えた。
ハラー氏によれば、古い経歴を伏せることが「求職者が選考過程で年齢差別を取り除く方法」だという。採用プロセスで年齢による壁を打ち破るためのこれらの提言は、採用担当者に対するものではなく、求職者に向けられていることは注目に値する。
より広い視野で見ると、人材の年齢制限の問題とは違う、業界全体の課題が浮き彫りになる。
キャリアストラテジストのバーナデット・ポーリック氏は、「採用を決定する際は候補者の将来性を考慮する必要があり、マネジャーは候補者の居住地や候補者の移動といった要因を考慮する必要がある」と述べている。
人事担当者は、年齢などに関する“偏見”と、勤務地などに関する“正当な要因”の違いを正しく理解し、採用担当者がその違いを理解するための手助けをする必要がある。
例えば、カリフォルニアに家族と住んでいる年配の候補者が、シカゴでのポジションを検討している場合、スキルが仕事には適していても、居住地を理由にリスクの高い採用と判断される可能性がある。
雇用者の立場からすれば、「この候補者に投資した場合、職務や他の役割で成長し、事業は成功するだろうか?」「その候補者は最高の投資対象なのだろうか?」といった疑問を抱く。人事部は、年齢や性別の固定観念が意思決定に影響しないようにしつつ、地理的条件など正当な基準を考慮し、採用担当者を正しい方向に導く必要がある。
LinkedInの同様の議論のスレッドで、ポーリック氏は次のようにつづっている。「私は常に人口統計に注意を払っている。それは人材パイプラインの長いリードであり、人口が上の世代に偏ると、年齢を理由にした雇用の拒否が難しくなるためだ」。
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