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» 2022年06月10日 08時00分 公開

「改正プロバイダー責任制限法」とは? 基礎や改正のポイントを分かりやすく解説

施行から20年が経過した「プロバイダー責任制限法」は2021年に改正され、2022年10月の施行が決定している。改正まで残り4カ月、今のうちに理解しておきたいプロバイダー責任制限法の基礎知識と具体的な改正内容を解説する。

[土肥正弘,キーマンズネット]

 プロバイダー責任制限法は、ネット上で他人の権利を侵害する情報への対策として2001年に成立し、2002年に施行された「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」のことを指す。同法は、成立当時から、社会問題である権利侵害情報流通への対策として、プロバイダーなどに対しては損害賠償責任に関する規定を定め、自分の権利が侵害された被害者はプロバイダーに発信者情報の開示請求ができる規定を設けている。

図1 インターネット上で流通する違法・有害情報の例(出典:桑子博行氏提供資料)

 現行法の大きな問題に「情報開示までの期間の長さ」がある。手続きが煩雑なため開示請求から開示までに数カ月以上がかかるのが通例で、被害者の負担が重く、権利の回復を阻害することにつながる。また裁判コストがかさみ、若年者などには手続きも難しい。

 SNSや掲示板で誹謗(ひぼう)中傷などに遭った場合、被害者はコンテンツプロバイダーに対して情報開示を求める裁判手続きをして裁判所の仮処分決定を受け、それによって開示結果を得た上で、アクセスプロバイダーへの情報開示を求める裁判手続きをする必要がある。二重の裁判手続きの後ようやく、発信者に対して損害賠償その他の訴訟を起こしたり、個別に交渉したりが可能になる。

 このような現行法の問題を是正するための議論の末、2021年4月に成立したのが「改正プロバイダー責任制限法」だ。2022年5月27日に最終的な総務省令が公布され、10月1日に施行される見込みだ。

 本稿ではプロバイダー責任制限法の基礎知識に加え、改正法のポイントを分かりやすく解説する。

そもそも「プロバイダー責任制限法」とは?

 まず、現行のプロバイダー責任制限法の仕組みは次の通りだ。

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