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» 2022年09月28日 07時00分 公開

ここさえ見れば大丈夫 Microsoftツールのアップデート、障害情報ページまとめ

予期せぬタイミングでアップデートが実行されるMicrosoftツール。更新情報を効率的に収集する方法はないものか。Microsoft MVPが実践するアップデート情報と障害情報の収集法を紹介する。

[太田浩史内田洋行]

 「Microsoft Teams」(以下、Teams)など「Microsoft 365」のアプリケーションやサービスは、予告なく大型アップデートが実行されることがある。特にユーザーインタフェースや使い勝手が大きく変われば利用部門からの問い合わせが殺到することが予想され、IT部門は一苦労だ。また、2022年8月にTeamsで大規模障害が発生したが、アップデート情報に加えて障害情報もリアルタイムで押さえておきたい。今回は、効率的な情報収集方法とMicrosoft MVPが利用している情報源を紹介する。

著者プロフィール:太田浩史(内田洋行 ネットワークビジネス推進事業部)

2010年に内田洋行でMicrosoft 365(当時はBPOS)の導入に携わり、以後は自社、他社問わず、Microsoft 365の導入から活用を支援し、Microsoft 365の魅力に憑りつかれる。自称Microsoft 365ギーク。多くの経験で得られたナレッジを各種イベントでの登壇や書籍、ブログ、SNSなどを通じて広く共有し、2013年にはMicrosoftから「Microsoft MVP Award」を受賞。

Microsoft 365を使い始めて、機能のアップデートの多さに驚いています。新しい機能によって便利になるのは良いことですが、仕様やUIなどの突然の変更に戸惑うこともあります。内容によっては社内の従業員に周知する必要があるので、アップデート情報はできるだけ早く押さえておきたいです。また、2022年8月にTeamsで障害が発生しましたが、特にそうした情報はいち早く入手したいです。Microsoft 365のアプリケーションやサービスに関するアップデート、障害情報を効率的に収集する方法はないでしょうか?

内田洋行 太田浩史氏

 Microsoft 365の魅力の一つは継続的にアップデートされ、常に最新の機能を利用できることです。新しい技術を取り入れた便利な機能やトレンドを押さえた新機能、世界中のユーザーからの声を反映した機能など、便利な機能が次々と追加されています。しかし、アップデートは毎月のように実行されるため「キャッチアップするのが大変」という声をよく耳にします。Microsoft 365のアップデートに振り回されないためにも最新情報をいち早く入手し、事前に備えておく必要があります。今回は、Microsoft 365の最新情報を得るために筆者が普段利用している情報源を一挙に紹介します。

まずは押さえておきたいMicrosoft公式情報

Microsoft 公式ブログ

 Microsoft 365に関する情報は、Microsoftの公式ブログで公開されています。公式ブログでは、Microsoft 365の大まかな動向や今後のアップデート、リリース計画などを知ることができます。年に数回行われるMicrosoftの大規模イベントの後にはイベントで発表された主要な内容の記事も公開されるため、情報のキャッチアップにも役立ちます。記事は英語で書かれていますが、数日遅れて日本語に翻訳されるものも一部あります。Microsoft公式ブログは更新頻度もそれほど高くないため、月に1度確認する程度でいいでしょう。

製品開発チームブログ

 Microsoftの各種製品開発チームは、それぞれのブログで製品の最新情報を公開しています。ここでは、日々行われる機能のアップデート情報や月ごとの更新情報のまとめ、廃止される機能と事前のアナウンスなど、活用や運用に役立つ情報が多数掲載されています。画面キャプチャーを用いて説明されている記事も多く、文字だけでは分かりづらい機能の使い方なども分かりやすく説明されています。また、それぞれの記事にはコメント欄があり、質問して回答をもらったり要望を伝えたりすることもできます。

 ブログのほとんどは英語で書かれていますが、近ごろは精度の高い翻訳サイトもあるのでそれらを使いながら読み進めるといいでしょう。主だった記事は日本マイクロソフトが運営する「Windows Blog for Japan」に翻訳記事が掲載されることもあります。

Microsoft 365ロードマップ

 現在開発中のMicrosoft 365の機能や展開中の機能は、「更新プログラムのロードマップ」ページに今後のロードマップとして公開されています。本稿執筆時点で、429個の開発中の機能と143個の展開中の機能に関する情報が公開されています。このページを見ると、Microsoft 365は多くの機能が常に開発され続けていることが分かります。

日本マイクロソフトの「Microsoft 365のロードマップ」ページ(出典:日本マイクロソフトのWebサイト)

 更新プログラムのロードマップページでは、私たちが利用する民間企業向けのテナント情報だけではなく、米国政府機関が利用する「Government Community Cloud」(GCC)テナントの情報も含まれます。ロードマップを確認する時は、クラウドインスタンスを条件とした絞り込みで「Worldwide(Standard Multi-Tenant)」を選択しましょう。

Microsoft 365管理センターのメッセージセンター

 IT部門などMicrosoft 365の管理者であれば、Microsoft 365管理センターのメッセージセンターを確認できます。メッセージセンターには、各テナントの契約ライセンスに応じて今後数週間から数カ月で展開される新機能の情報とおおよその時期、機能に関連する情報へのリンクなどがまとめて配信されています。毎週のように新しい情報が配信されるので、週に1回確認することをお勧めします。なお、配信されるメッセージはどれも英語ですが、機械翻訳によって日本語表示に切り替えて読むこともできます。

Microsoft 365管理センターの「メッセージセンター」のページ(出典:日本マイクロソフトのWebサイト)

パブリックプレビューに参加する

 Microsoft 365で提供される全てのアプリケーションやサービスで用意されているわけでありませんが、パブリックプレビューを利用できる場合があります。パブリックプレビューでは、一般ユーザーに展開予定の機能をいち早く試用できます。正式リリース前のため、機能に不具合があったりリリース時に一部変更が加えられたりすることもありますが、どういった機能であるかを実際に試すことができます。

 例えばTeamsでは、IT部門の管理者によってパブリックプレビューの利用が許可されたユーザーは、いつでもパブリックプレビューモードに切り替えて新機能を試すことができます。どんな機能がパブリックプレビューに提供されているかは、Microsoftが運営するコミュニティーサイトに情報が公開されています。公開情報を見ることで、今後どのような機能が追加されるのかを確認できます。

 この他、WordやExcel、PowerPointなどの「Microsoft 365 Apps」も、「Office Insider プログラム」でいち早く最新機能を試用できます。企業ユーザーの場合は、管理者によってOffice Insider プログラムへの参加が制限されていることがあるので、利用したい場合はIT部門と協力して進めるといいでしょう。こちらもブログで新しい機能が紹介されているので、記事を読むだけでも参考になります。

ソーシャルメディアからグローバルユーザーの知見を借りる

 MicrosoftはSNSでの情報発信も積極的に行っています。特に「Twitter」のMicrosoft 365公式アカウントでは盛んに情報が発信され、新機能の紹介や役立つTIPSなどさまざまな情報がツイートされています。日本マイクロソフトのMicrosoft 365公式アカウントも、お役立ち情報やこれまで紹介した日本語のブログの更新情報、セミナーの情報などをツイートしており、情報のキャッチアップに役立ちます。

 Twitterには世界中のMicrosoft 365ユーザーが集まっています。新しい機能がリリースされた時やMicrosoft 365で何か不具合や障害が発生した時など、Twitterを検索することで他社の状況も含めて確認できます。Microsoft 365の障害情報はIT部門の管理者などにも通知されますが、最も早く知る方法はTwitterであるとも言われています。

 Twitterを検索するには、検索キーワードの後ろに「lang:ja」(例: Microsoft 365 lang:ja)を付けることで日本語のツイートだけを探すことができます。また、Microsoft 365の障害情報をツイートしている公式アカウントもあるので、管理者はフォローしておくといいでしょう。

 日本マイクロソフトが運営する「YouTube」チャンネルもおすすめです。このチャンネルでは、機能の使い方やTIPS、動画マニュアル、教職員・学生向け情報など、役に立つ動画が多数公開されています。どの動画も分かりやすく作られており、社内で共有する情報としても適しています。

ユーザーコミュニティーで成功事例やナレッジを収集

 多くの企業で利用されているMicrosoft 365には、企業ユーザーが集い、情報交換や勉強会を行っているユーザーコミュニティーがあります。ユーザーコミュニティーは世界各地に存在しますが、日本には「Japan Office 365 Users Group」というコミュニティーグループがあります。ここでは「Facebook」に作成されたグループで日々の情報を共有し、勉強会などでナレッジや事例も共有されています。

 こうして社外のユーザーとも情報を共有したり教え合ったりできるのも、同じ製品を多くの企業や人が使うクラウドサービスならではの特徴です。興味のある方は、参加してみてはいかがでしょうか。

 Microsoft 365に関する情報はさまざまな形で公開されており、積極的に情報を取りに行くことで多くの役立つ情報が得られます。Microsoftは米国企業であるため、どうしても英語で書かれた情報が多くなってしまう点は注意すべき点です。今では機械翻訳などを使った翻訳サービスも増えています。それらを使いながら情報収集するのも一つの手です。手間を掛けるだけの価値がある情報が多数あるため、英語の情報にも積極的に触れてもらいたいです。Microsoft 365の運用、活用を推進する担当者の方は、週に1度、1時間程度は情報収集する時間を設けることをお勧めします。

 Microsoft 365は日々多くのアップデートが加えられているため、それに振り回されてしまう印象があります。そうならないためにも、新たな情報を収集して事前に備えることが大切です。今回紹介した情報源だけでもかなりの情報を得ることができます。これらを活用してみてはいかがでしょうか。

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