2023年は「クラウドファースト」の転換点になるかもしれない。ノークリサーチは2022年の調査結果を元に、重要なのは「発展的レパトリエーション」だと提言した。
ノークリサーチは2022年の調査結果を元に、2023年の中堅・中小企業向けのIT活用提案において最も重要なポイントは「発展的レパトリエーション(回帰)」だと提言した。
発展的レパトリエーションとはクラウド/内製に偏った状態から回帰し、適材適所でクラウドとオンプレミスを使い分けることだ。
ノークリサーチによれば、特に中堅・中小企業にとって、この発展的レパトリエーションが重要になるという。
IT活用の規模や人材が限られる中堅・中小企業では、クラウドファースト/内製化への急激な転換は負担になると、ノークリサーチは述べる。図2に示す同社の調査結果でも、サーバの管理・運用に関する課題として「クラウド移行を進めたいが方法が分からない」という声が多く集まった。同社はこの状況を「『クラウドの利点を享受する』と『クラウドに移行する』が混同された結果生じた課題だ」と指摘する。
図3の通り、サーバ導入・運用時の方針については「オンプレミスとクラウドは今後も双方を併用する」や「自動化の進展に伴ってデータ容量を拡張できるサーバが必要となるが、必ずしもクラウドであるとは限らない」「海外データセンターの利用を敬遠するわけではなく、むしろバックアップやセキュリティ対策の手段としてクラウドを活用する」といった傾向が見られるとノークリサーチは述べる。
これらの調査結果を踏まえ、ノークリサーチは「既にオンプレミスのシステム構築が進んでいる場合はHCI、サーバレスのサービス展開も考慮する場合はIaaS」のように、ベンダーやSIerはユーザー企業のニーズに応じた提案を行い、適材適所のクラウド活用を推進すべきだと指摘した。
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