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» 2023年03月22日 07時00分 公開

Amazonのキャリア開発から学ぶべきこと

レイオフや労働組合の抗争のニュースが絶え間なく聞こえてくる中、Amazonは、長期的に組織と人材の両方に役立つ可能性があるキャリア開発を進めている。

[Caroline ColvinHR Dive]
HR Dive

 レイオフや労働組合の抗争のニュースが絶え間なく聞こえてくる中、Amazonは着実にOJT(On the Job Training)による学習と開発プログラムを進めている。

 長期的には組織と人材の両方に役立つ可能性があるという、Amazonのキャリア開発を紹介する。

組織成長と人材獲得を両立するキャリア開発

 Amazonが「Upskilling 2025」と題するプログラムは、「需要のあるスキルセット」を身に付けたい人材を支援する。新たなキャリアへの推進力になるよう、Amazonのリーダーシップが設計した(注1)。

 この取り組みは2019年に開始され、前払いの授業料プログラム「Career Choice」と、非技術職のソフトウェアエンジニアリングへの移行を支援する「Technical Academy」を併設している。

 技術研修の中にはハイレベルなものもある。例えば、「ユーザーエクスペリエンスデザイン&リサーチ」の実習プログラムは財務部門と小売部門にまたがり、「Prime Video」や「Alexa」にも触れている(注2)。「Grow Our Own Talent」などのL&Dプログラムはエントリーレベルの人材に対応している。

 中堅人材向けのプログラムもある。Amazonが米国労働省と提携したロボット工学プログラムでは、労働者の賃金を第1段階で最大40%、第2段階で最大88%引き上げることを目的としている。

 「Amazonの人材戦略は非常に不完全だ」と批評家や従業員は述べているが、AmazonのL&Dサービスはそれでも注目に値する(注3)。LinkedInは、2年連続でAmazonを「キャリアを伸ばすのに最適な職場」の1位に選んだ(注4)。2022年初頭、Amazonは当時75万人いた時間給従業員に対し、大学入学金とESLクラスを無料で提供した(注5)。その後同社は、教育の一環として家庭教師サービスやデジタルナッジを追加した(注6)。

 L&Dファシリテーターや人材育成の専門家は、Amazonの事例を参考に自問してみればよい。「自社のトレーニングプログラムは従業員にどのような利益をもたらすことができるのか。どのようなスキルが将来のキャリアに寄与するのか」と。

 調査会社と労働統計局は、米国で技術スキルの需要がますます高まっていることを認めている(注7)。BLSは、2021〜2031年にかけて新たに創出される仕事の上位3つのカテゴリーの一つとして「ソフトウェア開発者」を挙げた。BLSは、今後10年間で約37万600人の雇用が創出されると予測している。

 同様に労働局は、2031年に向けて米国で急速に成長する職業トップ10として、風力タービンサービス技術者やデータサイエンティスト、情報セキュリティアナリスト、統計学者を挙げた(注8)。

 人材の“インキュベーター”や退社のための足がかりをつくるよりも、人事はL&Dに真剣に取り組むことによって、人材パイプラインを強化するほうが良い。Amazonの委託を受けて実施されたGallupの調査結果「Upskilling 2025」で、アメリカ人の57%が自分のスキルセットの向上に「非常に関心がある」または「極めて関心がある」ことが示された(注9)。同様に、スキルアップに関心のある労働者の69%が、他の雇用主がスキルアップの機会を提供すれば現職を辞める可能性が「極めて高い」または「非常に高い」とGallupに回答した。

 Society for Human Resource Managementのレポートでは、給与に次いで、キャリア開発と昇進の欠如が人材の離職を促していることが確認されている(注10)。2022年を通して、人事担当者はWillis Towers Watsonなどの調査会社に、リスキリングやアップスキルが、リテンションやアトラクション(人材獲得)、コスト削減のための最重要戦略であると回答した(注11、注12)。

 これらの調査結果から、技術者のスキルアップと堅実なプログラムの開発に投資することが、長期的には組織と人材の両方に役立つ可能性があることが分かる。

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