タレントマネジメントシステムの機能はモジュールで提供される製品もある。報酬モジュールは昇給やボーナスといった財務に関する機能を担う。企業文化や規模、予算、業種、優先事項によっては、必ずしも全ての機能が必要というわけではない。
タレントマネジメント市場で注目を集めている機能がAIだ。AIの発達に合わせて、タスク処理の簡略化や自動化を可能にするAI機能を製品に組み込むソフトウェアベンダーもある。当初、AIの利用が推し進められていたのは、求人の分野だったが、現在は後継者育成(サクセッションプランニング)をはじめとするタレントマネジメントの他の領域でも、その導入が盛んになりつつある。
ここからは、タレントマネジメントに関連するモジュールについて解説する。
コアHRモジュールは、以下のような機能を実行する。
従業員エンゲージメントモジュールには次の機能が含まれる。
求人モジュールには次の機能が含まれる。
オンボーディングモジュールには、次の機能が含まれる。
パフォーマンス管理モジュールには、次の機能が含まれる。
報酬モジュールでは、ユーザーは次のタスクを実行できる。
レポートおよび分析モジュールには、次の機能が含まれる。
従業員教育および能力開発モジュールでは、ユーザーは次のことが行える。
サクセッションプランニングを担うモジュールには、次の機能が含まれる。
文書管理モジュールには、次の機能が含まれる。
ベンダーを評価する際に何より重要なのは、導入候補の製品について競合製品と比べて優れている機能を特定するとともに、その製品が会社のニーズを満たせるか否かを見極めることだ。導入やライセンス取得にかかるコストも考慮しなければならない。
オールインワンのタレントマネジメントパッケージを評価する際には、購買チームは、ユーザーがモジュールの壁を越えてデータを利用できるかどうかも検討しなければならない。従業員のスキルに関するデータはパフォーマンス管理で従業員を評価する、欠員が出た役職の後任候補を社内で探す、能力開発のための研修を従業員に自動的に割り当てるといったような、さまざまな場面で役に立つはずだ。
一方、より特定の機能に特化したベンダーを評価する際には、購買チームは統合機能も考慮する必要がある。複数のシステム間でデータをやりとりできれば、ユーザーにとってのシステムの価値が向上するからだ。パフォーマンス管理データを報酬計画ツールへプッシュし、その後に報酬の変更点を会社のコアHRモジュールへ転送できれば、ユーザーにとって有用だろう。
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