Microsoft 365 Copilotは2025年6〜7月のアップデートで、「添付ファイルの自動要約」「FAQ自動生成」「自然言語検索」など、業務効率を飛躍的に高める多数の新機能を実装した。特に注目は、AIエージェントによるリサーチや分析支援機能だ。
「Microsoft 365 Copilot」は、2025年6月〜7月のアップデートで、「添付ファイルの自動要約」や「社内FAQの自動生成」「自然言語による検索強化」など、日常業務を効率化する実用的な機能が拡充された。中でも注目すべきは、推論型AIモデルを活用したリサーチツールやアナリスト機能といったエージェント系機能の追加だろう。四半期レポートの作成やデータ分析といった高度な業務文書も、より容易に作成可能になる。
本稿では、これらのアップデート内容と実際の利用シーンを交えながら、内田洋行の太田浩史氏による解説を基に、Microsoft 365 Copilotの最新機能を整理する。
本稿は内田洋行主催のウェビナー「聞きたい!知りたい!おさえたい!今月のMicrosoft 365アップデート」の講演内容を基に、編集部が再構成した。
Microsoft 365 Copilotは6〜7月にかけて、チャット履歴検索やAIエージェントの提供開始に加えて、メール添付要約など複数の機能強化を実施した。それらを一つ一つ振り返っていこう。
Microsoft 365 Copilotライセンスユーザーは、推論AIモデルを活用した新たなエージェント機能「リサーチツール」と「アナリスト」を利用できるようになった。「リサーチツール」は、社内外の情報を統合し、詳細なレポートを自動生成するリサーチ支援エージェントだ。「アナリスト」は、Pythonなどを活用してデータを自動分析し、その結果を基にレポートを作成する、データ分析に特化したエージェントだ。これらの機能は2025年6月に一般提供が開始され、多くのユーザーが高度なAI機能を日常業務に活用できるようになった。リサーチツールの利用イメージは「Microsoft 365 Copilotの“最短”RAG構築術 Azureでの完全カスタムも徹底解説」で詳細を紹介しているので、こちらも参考にしてほしい。
Copilotとの過去のチャットを検索できるようになった。左側のメニューにある「すべての会話」から、これまでのやりとりを一覧表示し、キーワード検索が可能になる。この機能は、Microsoft 365 Copilotのライセンスの有無に関係なく利用できる。
ライセンスを持つユーザーの場合、「Webモード」と「職場モード」でチャット履歴が個別に管理されているため、どちらで会話したかが不明な場合は両方を確認する必要がある。
Microsoft 365 Copilotライセンスを持つユーザーは、Outlookでメールに添付されたPDFやWord、PowerPointファイルの要約を自動生成できるようになった。添付ファイルを開かずに内容を把握できるため、メール処理の効率が大幅に向上する。現在、この機能は新しいOutlookおよびWebブラウザ版で利用可能であり、Outlookクラシック版についても近日中に対応が予定されている。
SharePointに、Copilotを活用した新機能「FAQ Webパーツ」がプレビュー版として追加された。就業規則や製品資料などのファイルを指定するだけで、内容に基づいたFAQを自動生成できるのが特長だ。カテゴリーの分類や質問の作成、回答の生成までを全て自動で行い、必要に応じて後から編集することも可能だ。ページの編集にはCopilotライセンスが必要だが、閲覧するだけであればライセンスは不要であり、実用性の高い機能と言える。
Microsoft 365の検索機能が「Copilot検索」として大幅に刷新された。従来のキーワード検索から進化し、自然言語による検索に対応した点が特徴だ。OneDriveに保存されたファイルの内容や、最近のメールのやりとりを基に、ユーザーの現在の業務内容を自動的に把握し、それに応じた最適な検索結果を提供する。利用にはMicrosoft 365 Copilotライセンスが必要であり、設定から従来の検索方法に戻すことも可能だ。現時点では検索精度に課題があるものの、今後のアップデートによる改善が期待されている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
製品カタログや技術資料、導入事例など、IT導入の課題解決に役立つ資料を簡単に入手できます。