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クラウドAIプロバイダー選びの4つのポイント 「ネオクラウド」という選択肢もCIO Dive

クラウドAIの利用は決して安いものではない。AI利用がほぼ必須となる中、われわれはこれからどのクラウドAIベンダーと付き合っていけばよいのだろうか。選択の指針を明らかにしよう。

» 2025年12月28日 10時00分 公開
[Makenzie HollandCIO Dive]
CIO Dive

 クラウド費用が上昇する中、ITリーダーはユースケースに適したクラウドAIプロバイダーをどのように選定するかを見直し、支出を抑える必要がある。

 Gartnerのエド・アンダーソン氏(主席バイスプレジデント)は2025年10月20日(現地時間、以下同)開催の「Symposium/Xpo」で、次のように述べた。

 「クラウドAIプロバイダーの選定は、クラウド戦略とAI戦略を結び付けることを意味する」

クラウドAIプロバイダー選び、4つのポイント

 クラウドAIサービスとは、AI向けに最適化されたクラウドインフラや事前構築済みのモデル(注2)、AIアプリケーション、AIエージェント、開発ツールなどの機能を提供するクラウドベースのプラットフォームを指す。アンダーソン氏は「AIとクラウドは共生関係にある」と述べた。

 「クラウドはAIに必要なインフラを提供する。AIサービスが必要とするコンピュートやストレージ、ネットワークといった基盤を整えるために、クラウドAIデータセンターの構築に対して多くの投資が行われている」

 市場調査企業であるDell’Oro Groupが2025年の初めに公開した調査によると、2024年の世界のデータセンター投資額は2023年から51%増加し、4550億ドルに達した。そのうち上位10社のハイパースケーラーが全体の半分以上を占めている(注3)。また、GoogleやMicrosoft、Amazon Web Services(AWS)など主要企業は、2025年も引き続きAIインフラとAI機能の拡充に数十億ドルを投資するようだ(注4)(注5)。

 クラウドプロバイダーを検討する際にはカテゴリについて考える必要がある。それはハイパースケールクラウドと特化型クラウドサービス、AI最適化型クラウドサービスの3つだ。さらにアンダーソン氏によると、特定のAIワークロードを分離できるという利点から、特に機密データを扱うモデルにおいて、プライベートクラウドの再評価が進んでいるという(注6)。

 アンダーソン氏によると、クラウドAIプロバイダーを評価する際には、4つの重要なステップがある。

  1. 組織が必要としている具体的な要件や、どのタイプのAIモデルを好むのかを見極めるとともに、AIエージェントを開発したり、AIアプリケーションを動かしたりするための環境を整えること
  2. クラウドAIプロバイダーごとの機能や実装方法を詳しく掘り下げて検討すること
  3. クラウド事業者との既存の関係性を活用して、より高度なAIサービスを有利な条件で利用できるよう交渉すること
  4. 新しいクラウドAIプロバイダーを導入する際には、組織に必要となるガバナンスやセキュリティ対策、スキルについて丁寧に検討すること

 アンダーソン氏によると、ハイパースケーラーが市場を支配する一方で、AkamaiやExpedient、Vultr、DigitalOcean、Renderといった特化型クラウドプロバイダーは、ハイパースケーラーの提供範囲からこぼれ落ちるユースケースに対応しているという。またアンダーソン氏は、特化型クラウドベンダーの方が、特定の国で主権クラウドが必要になる場合など(注7)、ロケーション特有の要件をサポートするのに長けていると指摘した。

AI専用クラウド=ネオクラウドの活用も視野に

 アンダーソン氏は「ネオクラウド」と呼ばれるAIに最適化されたクラウドプロバイダーもCIOの選択肢に入ると指摘した(注8)。AI最適化クラウドプロバイダーとしては、CoreWeaveやNVIDIA、DataCrunch、Runpod、Fluidstackといった企業が挙げられる。

 調査企業であるSynergy Research Groupのデータによると(注9)、ネオクラウドの収益は2025年に230億ドルを超える見込みだ。また、この分野は2030年までに1800億ドル規模に達し、年平均69%という非常に高い成長率で拡大すると予測されている。

 アンダーソン氏によると、ネオクラウドはAI向けに最適化されたサーバを備えており、ハイパースケールクラウドや特化型クラウドと同等の機能を提供するようだ。

 「AI最適化クラウドの領域は、いわゆるネオクラウドだけに限定されるものではない」(アンダーソン氏)

 アンダーソン氏によると、クラウドAIプロバイダーを評価する際、AIに特化したベンダーは、専門性によって組織全体の環境を補完する利点を持つ可能性があるという。

 アンダーソン氏は「AIモデルの学習や推論が重要な機能であることは確かだが、次に焦点が当てられる領域はAIエージェントを構築および展開、管理する能力だ」と述べた。AIエージェントは重大なガバナンス上の課題を新たに生み出し、セキュリティの重要性をさらに高めるため、今後クラウドAIプロバイダーを評価する際の最重要ポイントの一つになるという。

 アンダーソン氏によると、大半の組織は最終的にクラウドAI戦略においてハイブリッド型アプローチを採用することになるようだ(注10)。例えば、Microsoftの顧客であっても、別のハイパースケーラーや特化型クラウドプロバイダーの方が特定のビジネス目標を達成する上で適していると判断するケースがあり得るのだという。

 「どんな状況であってもハイブリッド型アプローチは極めて重要になる。これらの環境は相互運用されなければならない。最終的にはサービスだけでなく、環境を支える複数のプロバイダーの組み合わせになることも十分にあり得る」(アンダーソン氏)

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