DWHを選定する際は、まずデータ統合と管理の機能に着目しよう。複数のデータソースから効率的にデータを抽出や変換、格納できるETL機能や、データクレンジング機能は必須だ。また、データのセキュリティ確保やアクセス制御、バックアップ機能なども重要なポイントになる。
スケーラビリティにも注目が必要だ。将来的なデータ量の増加に備え、柔軟に拡張できるアーキテクチャを持つ製品を選ぶ必要がある。クラウドDWHであれば、オンプレミスと比べて容易にスケールアウトできる。
DWHに蓄積したデータを活用するには、BIツールやデータ分析ツールとの連携が欠かせない。選定する製品が「Tableau」や「Power BI」「Qlik Sense」といった主要な分析ツールとスムーズに連携できるかどうかを確認しよう。
APIやコネクターの充実度も重要だ。社内の他のシステムやアプリケーションとのデータ連携がしやすいかチェックしてほしい。
クラウドDWHはオンプレミスに比べて初期費用や運用フェーズ以降のコストを大きく削減できる可能性があるが、従量課金の仕組みが製品によって異なる。
「BigQuery」はSQLクエリで読み込んだデータ量や、保存されているデータ量に応じて課金される一方、「Snowflake」は「クレジット」という独自の単位に従い、稼働させるウェアハウスのサイズや稼働時間などに応じて課金される。
それぞれの製品のライセンス体系や従量課金の仕組みをよく確認した上で、自社の活用例でどの程度課金することになるのか試算する必要があるだろう。
また、ベンダーのサポート体制も見逃せない。導入時のコンサルティングや技術支援、トラブル発生時の対応など、充実したサポートを提供してくれるベンダーを選ぼう。国内に開発・サポート拠点があるとより安心だ。
製品名 | ベンダー名 | 特徴 |
---|---|---|
Snowflake | Snowflake Japan | 標準SQLベースのDWHに加えて、データシェアリングやマルチクラウドレプリケーションといった機能を備えた製品。さまざまなデータソースと連携でき、高い拡張性と柔軟性に強み |
BigQuery | グーグル・クラウド・ジャパン | 「Google Cloud Platform」(GCP)で提供されているクラウドDWH。データの処理速度やGoogle関連サービスとの連携に強み |
Amazon Redshift | アマゾンウェブサービス ジャパン | 「Amazon Web Services」(AWS)で提供されているクラウドDWH。AWSの他サービスとの連携に強み |
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