上述のセキュリティ確保と合わせて、ユーザーの利便性向上もSSOを導入する目的の一つだ。そのため、本当に認証方式を一元化できるのか、自社で既に利用しているアプリケーションやシステムに適したSSOを選択することが重要だ。SSOの対象範囲を明確にし、それぞれの認証方式に対応できるかを見極める必要がある。
ユーザーの利便性を考慮する上で重要なのが多要素認証の方式だ。「Windows Hello」などの生体認証やデバイス認証、ワンタイムパスワード認証など、自社の環境に適した多要素認証方式を選択することが重要だ。ユーザーの利便性を損なわない範囲で、セキュリティを強化できるSSOシステムを選ぶ必要がある。
企業のIT環境は常に変化している。新しいアプリケーションやシステムの導入、クラウドサービスの利用拡大など、将来的な拡張性と柔軟性を考慮したSSOシステムの選定が重要だ。カスタマイズ性が高く、APIやSDKを提供しているSSOシステムは、自社の環境に合わせた柔軟な対応が可能である。また、SSOシステムのアップデートや新機能の追加に対する対応力も確認しておく必要がある。
製品名 | ベンダー名 | 特徴 |
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Microsoft Entra ID(旧Azure Active Directory) | 日本マイクロソフト | Microsoftが提供するIDaaS。Microsoft製品との連携が強みだが、OpenID ConnectやOAuth、SAMLなどの方式にも対応 |
Okta Workforce Identity Cloud | Okta Japan | Oktaが提供するIDaaS。幅広いクラウドサービスと連携が可能 |
HENNGE One | HENNGE | HENNGEが提供する国産IDaaS。SSOやMFAを提供するとともに、プランによっては電子メールセキュリティの機能も付帯 |
GMOトラスト・ログイン | GMOグローバルサイン | GMOグローバルサインが提供する国産IDaaS。全機能を低価格で利用でき、無料プランも提供 |
以下はキーマンズネットで掲載しているSSO製品の比較に関する記事だ。導入、運用にぜひ役立ててほしい。
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