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「リモートアクセス」の事例、比較、解説記事を総まとめ

「リモートアクセス」に関する最新情報を紹介します。IT担当者やITを活用したいビジネス/バックオフィス部門の担当者に、役立つ製品・サービス情報や導入事例、業界動向を集めました。

リモートアクセスツールとは

リモートアクセスツールとは、主に外部からPCを遠隔操作するためのツールを指す。ツール自体は2000年代前半から存在し、サーバやPCの遠隔管理やBCP対策として利用される(続きはページの末尾へ)。

リモートアクセスツールの基本

 リモートアクセスツールは、主に外部からPCを遠隔操作するためのツールを指す。ツール自体は2000年代前半から存在し、サーバやPCの遠隔管理やBCP対策として利用される。

 一方、DaaSは、仮想デスクトップ環境(VDI)をクラウドサービスとして提供するものだ。VDIと比べて短期間で導入でき、初期コストや運用負荷を低減できるものとして期待される。

リモートアクセス手段の割合

 キーマンズネットの2021年の調査(全回答者数267人、調査期間2021年4月16日〜5月7日)によると、リモートアクセスの手段として最も多かったのは「VPN経由で接続」が67.0%で、次いで「リモートアクセスツール/サービスを用いて接続」43.6%、「VDI(仮想デスクトップ)を用いて接続」20.6%、「DaaS(Desktop as a Service)を用いて接続」4.1%という結果となった。

 従業員規模別でみたところ、やはり、リモート接続を実現する技術として長い歴史を持つVPNが根強く、全ての従業員規模で半数を超える利用率となった。他の接続手段と比べると、比較的手軽かつ安価でリモート接続できる手段とあってか、中小規模の企業でも利用が進んでいる状況が見られた。

 一方で、クライアント端末に保持するデータを抑えることでセキュリティの強化が見込め、従業員ごとに確保したリソースを割り当てられることでパフォーマンスの安定が期待できるVDIは、VPNやリモートアクセスツールと比較してやや導入のハードルが高くなりやすく、経済的体力のある大企業を中心に導入が進んでいるとみられる。

 同調査で寄せられたリモートアクセスの“不満ポイント”を整理すると、大きく3つに分類できる。

 1つ目は接続やレスポンスに関するもので、リモート接続環境における代表的な不満だ。「週初めや月末などの業務が集中するときに動作が重くなる」「18時を過ぎると通信速度、レスポンスが遅くなる」「画面転送方式のため,レスポンスに多少の遅延が生じる」などだ。中には「国内接続拠点の接続数が限界に達し、海外の接続拠点を経由しなければならない」といった悲痛の声もあった。

 2つ目はツールの使い勝手や、リモート接続環境での働きにくさだ。「リモートアクセス環境に制約があり、操作しにくい」「利用する都度、認証して接続するのが面倒」「画面のスクリーンショットが使えない」などが挙がった。

 3つ目は勤務先のセキュリティポリシーに関連する不満で、「当社ではリモート接続は、専用PCからの接続に限られているため、面倒くさい」「調達や経理システムなど、一部のシステムはリモートアクセスできないようになっている」「内部的な問題でアクセス制限がある」といった声が上がった。

 リモート接続は、緊急事態宣言の発令などオフィス外での業務を余儀なくされた場合に有用な業務遂行手段だが、勤務先のセキュリティポリシーのため社外からは接続できないシステムがあるなどといったことが、政府が要請する「出勤者7割減」を難しくさせている要因の一つなのかもしれない。

リモートアクセスツールとセキュリティ

 リモートアクセスに存在するリスクの一つに、セキュリティがある。VPN機器などの脆弱(ぜいじゃく)性を狙ったサイバー攻撃も報告されているが、リモートアクセス環境においても利便性と安全性はトレードオフの関係になりがちだ。

 リモートアクセス環境におけるセキュリティ事故は外部攻撃など外的要因ばかりではなく、従業員の操作ミスなど人為的な要因によるものもあり、そうした視点でのケアも必要なことが分かる。

 オフィスを中心とした就労形態であれば、情シスなどによる監視が行き届いていたが、自宅やサテライトオフィスなど従業員の就労場所が固定されない働き方になると、全てに目が行き届きにくく、今までの運用では成り立たなくなるだろう。eラーニングでセキュリティ講習を定期的に実施するなど、あらためて従業員のセキュリティ教育の必要がある。

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