5分で分かる最新キーワード解説
海のうねりが電力を生む「海流発電」とは?(2/4 ページ)
メンテナンスしやすい「水中浮遊式」構造
海流発電システムの原理は、風力発電をそのまま海の中に移したものをイメージすればよい。巨大なプロペラを海流の力で回して発電機を動かして電力を得る。
かつては巨大な扇風機型の装置を海底に設置する方式や海面に浮かべた構造物に設置する方式が考えられた。しかし、長期間の運用を考えると暴風波浪などの自然条件への備えや、定期的あるいは臨時のメンテナンスが不可避だ。
効率を考えると、発電時は海中にあり、必要に応じて海面で手入れを行う方式が合理的だ。そこで現在研究されているのが「水中浮遊式」構造だ。
図2に見るように、海底に設置するのは係留索を固定するためのアンカーのみとし、発電装置は係留索につながれ、まるで凧のように海中を漂う。浮力を調整することにより、平常時は発電効力のよい水深で稼働し、メンテナンス時には海面に浮上させて作業を行う。
発電効率に優れるタービン翼
プロペラ(水平軸揚力型タービン翼)による発電システムの出力は、流速の3乗とタービン翼の掃過面積に比例して変化する。従って、プロペラサイズは大きければ大きいほど大電力が生み出せる。
しかし、プロペラ直径を大きくするほど回転数が遅くなり、発電効率低下、駆動軸トルクの増大、重量増加を引き起こしてしまう。ジレンマ解消のため、IHIでは数値流体力学解析(図4)と30分の1スケールの模型翼を用いた水槽試験(図3)によって最適なプロペラサイズや形状と出力の関係を割り出した。
その結果、定格流速(秒速1.5メートル)の条件で1基1メガワットの発電を行うことを想定すると、プロペラ直径は約40メートルになることが分かった。また、低流速でも高速に回転して高出力が得られるように風力発電用のプロペラをベースにした形状から新しい形状に変えることにした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
5分でわかる最新キーワード解説
この記事の著者
こんなメディアも見られています
キーマンズネットに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「パスキーはワナだ、使うな」にネット騒然 プロが“待った”をかけるワケ:902nd Lap
-
2
今、IT資格を取るならどれ? ランキングに見る「急浮上の資格」と「不動の資格」
-
3
大田区、年1000時間の問い合わせを「AI電話」で削減できるか? 実証実験で見えた課題
-
4
PHP脆弱性、自社のリスクは? 今すぐできる点検の手順とPHP以外の注意点 無料点検も登場
-
5
なぜ、突如「PHPパニック」は起こったのか? 緊急メンテ続出の理由とその後
-
6
「Gemini Notebook」で始める「AI×自動化」実践ガイド
-
7
48年も愛された名作CPU「Z80」を、引退に追い込んだ“抗えない事情”
-
8
磐田市、財務会計業務への生成AI導入実証 年間590時間、約177万円の削減効果を確認
-
9
止まらない不正アクセス、広がる情報漏えい 大手企業・公的機関を襲った10事案
-
10
Microsoftの“あのキャラ”がまさかの復活? 公式「X」乗っ取り事件の珍騒動:901st Lap
キーマンズネット SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
キーマンズネットをフォロー