IT導入完全ガイド
いよいよERPもクラウド移行が本格化か? 今どきの「クラウドERP」の最新事情と導入ポイント(3/3 ページ)
どの業務分野をクラウドに移行するか?
一口に「ERP」といっても、その中に含まれる機能モジュールはさまざまで、パッケージ製品やクラウドサービスがカバーする分野や、それぞれが強みとする機能は違う。多くのERP製品は、企業で共通して行われる財務や経理、人事、給与業務に対応する機能を中心に据えつつ、在庫管理や販売、購買管理、生産管理といった中核業務に対応する機能も備える。
これらのうち、企業によって業務の違いがあまり見られない財務および経理や人事、給与に関してはソフトウェアの機能を共通化しやすく、パッケージ化、クラウドサービス化が早くから進んできた。従って、このような機能だけをピンポイントでオンプレミスからクラウドへ移行するのは、比較的リスクが少ないといえる。財務や経理、経費精算、人事などの機能に特化したSaaS型サービスは比較的早くから登場しており、その機能も成熟しつつある。
一方で、各社ごとに業務内容が大きく異なる販売管理や生産管理などの分野は、パッケージやクラウドサービスによる汎用化が難しく、SaaS型サービスも選択肢が少ない。仮に導入したとしても、場合によっては大幅なカスタマイズが必要となるため、クラウド導入のメリットも半減する危険性がある。
そのため、クラウドERPへ移行する業務分野とオンプレミスで運用する業務分野を分け、対象業務を絞って段階的にクラウドを取り入れていく方法も有効だろう。ただしそうなると、今度は「オンプレミスとクラウドの間のシステム連携」という新たな課題も発生する。そのため、業務特化型のクラウドERP製品を導入する場合は、周辺システムとの連携を慎重に行う必要がある。
また近年では、このような課題の解決を狙って、業務特化型のクラウドERPベンダーを大手ERPベンダーが買収し、自社製品のポートフォリオの中に取り込んでいく動きも加速している。合従連衡が激しい分野だけに、SaaS型サービスの導入を検討する際は、こうした動向にもある程度アンテナを張っておいた方がいいだろう。
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