AI研修を受けた人は1割未満 「学びたい」4割超なのに、なぜ?
企業でAI活用やDX推進が求められる一方、職場でそれらが話題にならず、研修を受ける機会も限られている。調査では、研修未経験者が9割に達する一方、4割超がAI・デジタルスキルの習得を希望している。学ぶ意欲と機会のギャップが浮かんだ。
NEXER Groupとリスキリング支援研修サービス「LISKILLING」が共同で実施した「DX・AI研修に対する意識と実態」の調査では、職場でAI・DX研修を受けた経験が「ない」と回答した人が90.7%に達した。一方、仕事でAIやデジタルツールを使うためのスキルを「習得したい」と回答した人は44.4%だった。
さらに、職場でDXやAI活用が話題になる頻度については、「まったく話題にならない」が49.7%、「ほとんど話題にならない」が23.3%で、合わせて73.0%となった。
AIを活用できる人材の育成が課題となる中、研修の受講経験や職場での話題化が限定的である一方、スキルの習得に意欲を示す人も一定数いる。調査結果からは、AI活用を進める上で、従業員が学ぶ機会やきっかけをどのように設けるかという課題が見えてきた。
「AI・DXを知らない、分からない」が6割 職場での話題化も進まず
DXやAI活用についての理解度を尋ねたところ、「意味を具体的に説明でき、業務にも取り入れている」は16.3%、「意味は理解しているが、業務には取り入れていない」は23.3%だった。両者を合わせると、意味を理解している人は39.6%となった。
一方、「言葉は聞いた経験があるが、意味はよく分からない」は31.7%、「聞いた経験がない」は28.7%だった。
職場でDXやAI活用が話題になる頻度については、「まったく話題にならない」が49.7%、「ほとんど話題にならない」が23.3%。合計すると7割を超えており、職場でAI・DXに触れる機会が限られているのが現状だ。
「AIを学びたい」4割超 動機はキャリアより「仕事の効率化」
仕事でAIやデジタルツールを使うためのスキルを習得したいかという設問では、「とても思う」が11.7%、「やや思う」が32.7%で、計44.4%が習得意欲があると回答した。一方で、「まったく思わない」は32.0%、「あまり思わない」は23.7%だった。
習得したい理由では、「仕事の効率化につながるから」が73.7%で最も多い。次いで「将来のキャリアや雇用に不安があるから」が30.8%、「新しい技術そのものに興味があるから」が24.1%、「収入アップや人事評価につながるから」が15.8%となった。
こうした結果からは、AI・デジタルスキルの習得を希望する人にとって、AIそのものへの関心だけでなく、日々の業務を効率化したいという実務上の目的が大きな動機になっている状況が見える。
受講経験者の89.3%が研修に満足
AI・DX研修の受講経験者が挙げた研修内容には、基本的な運用方法やAI活用法、AIの基礎知識、G検定関連、社内利用ルール、「Gemini」の活用などが挙がった。
AI・DX研修の満足度については、「やや満足」が64.3%、「とても満足」が25.0%で、合わせて89.3%が満足と回答した。「やや不満」は10.7%だった。
AI・DX研修、満足度は9割弱 「実務で使える」研修を求める声
AI・DX研修を受けた経験がない人に希望する研修条件を尋ねたところ、「実務ですぐに使える実践的な内容である」が23.2%で最も多い。続いて、「自分のレベルやペースに合わせて学べる」が18.0%、「費用を会社が負担してくれる」が16.9%、「短時間やスキマ時間で受けられる」が12.9%となった。
自由回答でも、実務で役立つスキルを効率よく身に付けたい、基礎から自分のペースで学びたい、仕事で使うスキルの費用を会社に支援してほしいといった声が寄せられた。
企業におけるAI・DX活用を進めるには、単に研修の実施有無だけでなく、どのような内容を、どのような形で提供するかもポイントになりそうだ。
今回の調査では、職場でAI・DXが「まったく/ほとんど話題にならない」と回答した人が73.0%、AI・DX研修の未受講者が90.7%に達した。一方で、44.4%は仕事でAIやデジタルツールを使うためのスキルを習得したいと答えた。
職場でのAI活用やDXの推進が求められる一方、学習機会や職場での接点は限定的で、スキル習得への意欲を持つ人も一定数いる。今後は、実務で使える内容や個人のレベル・ペースに応じた学習、費用面の支援など、働く人が実際に学びやすい環境をどう整えるかが課題となりそうだ。
調査は全国の就業者300人を対象に、2026年8月6~12日までインターネットで実施され、300件の回答を得た。
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