大和鋼管工業、SaaS増加で複雑化したライセンス管理を「情シスAI」でどう解決?
SaaSの増加に伴い、ライセンスの利用状況やコスト管理が複雑になっていた大和鋼管工業。部署ごとに分散していたSaaSやアカウント情報の一元化に動いた。
企業におけるSaaS活用が広がる一方で、情報システム部門が抱える管理業務は増加している。新たなSaaSを導入するたびにアカウントやライセンスの管理対象が増え、利用状況の把握や棚卸し、不要なライセンスの確認など、継続的な運用が必要になる。
さらに、SaaSの導入主体が情報システム部門だけとは限らない。部門ごとに個別のSaaSを導入・管理するケースでは、「社内でどのSaaSが使われているのか」「誰が管理者なのか」「どれだけのライセンスが利用されているのか」といった情報を横断的に把握することが難しくなる。
こうした課題に直面していたのが、1932年創業の鋼管メーカーである大和鋼管工業だ。同社では、年々増加するSaaSのライセンス利用実績を確認する作業や、部署をまたいで管理者が分散していることによるコスト管理の複雑化が課題となっていた。
SaaSは増えた、でも「誰が使っている?」が分からない
大和鋼管工業では、業務で利用するSaaSが年々増加していた。SaaSは必要なサービスをスピーディーに利用できる一方で、サービスが増えるほど、それに伴って管理すべきアカウントやライセンスも増えていく。同社が課題として挙げていたのが、ライセンスの利用実績を確認する作業だ。
契約しているライセンスが実際にどの程度利用されているのかを把握するには、各サービスの情報を確認し、利用状況を整理する必要がある。SaaSの数が増えるほど、この確認作業そのものが情シスの負担となる。
加えて、もう一つの課題が、SaaSの管理者が部署をまたいで分散していたことだ。
SaaSごとに管理者が異なり、さらに部署単位で管理されている状態では、全社でどの程度のSaaSコストが発生しているのかを把握することが難しい。
同社では、年々増加するSaaSのライセンス利用実績を確認する作業に手間がかかること、部署をまたいで管理者が分散し、SaaSコストの把握・管理が複雑になっていることの2つが課題となっていた。
SaaS管理の情報を一元化するため、専用ツールの導入を検討
こうした状況を受け、大和鋼管工業ではSaaS管理アプリの導入を検討した。
SaaSが増え続ける環境では、サービスごとに個別に情報を確認するのではなく、社内で利用しているSaaSやアカウントの情報をまとめて把握できる環境が必要になる。特に情シスにとって重要なのは、単純に「SaaSの一覧」を作ることではない。
誰がどのSaaSを利用しているのか、どのライセンスが割り当てられているのか、どのアカウントが存在するのかといった情報を、日々の管理業務に活用できる状態にすることである。そこで同社が導入を決定したのが「zooba」だ。zoobaは、SaaSやIT資産管理に加えて、社内問い合わせへの対応や各種IT業務の実行を支援する情シスAIエージェントだ。
選定時に重視したのは「開発スピード」と「ユーザーフレンドリーな対応」
大和鋼管工業がzoobaを選定する際、特に評価したのが「開発スピードの速さ」と「徹底したユーザーフレンドリーな対応」だ。
利用するSaaSが変われば管理対象も変わり、社内の運用ルールや従業員から寄せられる問い合わせも変化する。導入時点で必要な機能がそろっているかだけでなく、今後の業務上のニーズに対してサービスがどのように進化していくかも、ツール選定における重要なポイントとなる。
同社では、zoobaの開発スピードの速さを導入の決め手の一つとして評価した。情シス向けのツールは、管理者だけが使うものとは限らない。従業員からの問い合わせや申請など、現場との接点を持つ場合には、利用者にとっての使いやすさも重要になる。同社は、zoobaの徹底したユーザーフレンドリーな対応に魅力を感じ、導入を決定した。
導入のポイントは「SaaSの一覧化」ではなく、情報を一元化すること
zoobaのSaaSやIT資産管理では、人とアプリケーション、デバイスに関する情報を一元的に管理できる。
大和鋼管工業では、これまで部署ごとに分散していたSaaSやアカウントの情報を一元化し、ライセンスの利用実績を把握しやすくすることを目指している。ここで重要なのは、単にSaaSの情報を集約することではない。
SaaSの利用状況やアカウント情報を一元化することで、ライセンス管理や棚卸し、退職者アカウントの把握など、さまざまな情シス業務につなげられる点にある。例えば、SaaSの利用状況を確認できれば、利用されていないライセンスの把握や、契約状況と実際の利用状況の確認といったコスト管理にも活用できる。
大和鋼管工業では、こうした情報を一元的に管理することで、SaaSの利用実績の把握とコスト管理の効率化を目指している。
SaaS管理から、情シス業務全体をつなぐ「ハブ」へ
同社がzoobaに期待しているのは、SaaS管理の効率化だけではない。同社は、zoobaに「各システム間、また従業員と問い合わせ担当者をつなぐハブ」としての役割を期待している。これは、SaaS管理を単独の業務として捉えるのではなく、日々発生する情シス業務とつなげていくという考え方だ。
情シスには、SaaSの利用状況確認だけでなく、アカウントの発行や停止、権限変更、ライセンス付与、棚卸し、従業員からの問い合わせ対応など、さまざまな業務が発生する。
これらの業務は一見すると別々に見えるが、その多くは従業員とSaaS、アカウント、デバイスといった共通の情報を起点としている。例えば、従業員から「SaaSを利用したい」という問い合わせがあった場合、利用者の情報を確認し、必要な申請を案内し、ライセンスを付与するといった複数の作業が発生する。
zoobaでは、社内ナレッジをもとにした問い合わせへの回答だけでなく、必要な情報の確認や申請手順の案内、担当者への連携に加え、「Google Drive」の権限付与やSaaSライセンスの付与、入退社に伴うアカウントの発行・停止などの業務も支援する。
大和鋼管工業では、こうした機能を活用し、従業員と問い合わせ担当者の双方の負担を軽減すると同時に、SaaSコストの最適化につなげることを目指している。
「SaaSを増やさない」ではなく、「増えても管理できる」環境へ
SaaS活用が進む企業にとって、利用サービスの増加は避けられないだろう。業務に必要なSaaSを導入すること自体を抑制するのではなく、重要になるのは、SaaSが増えても管理できる仕組みをどう構築するかだ。
特に情シスにとっては、SaaSの契約情報だけでなく、利用者とアカウント、ライセンス、利用状況などの情報を横断的に把握できることが、継続的な管理の前提となる。大和鋼管工業がzoobaの導入を通じて取り組もうとしているのも、こうしたSaaS管理の基盤づくりだ。
部署ごとに分散していたSaaSとアカウント情報を一元化し、利用実績を把握する。その情報をライセンス管理やコスト管理に活用し、さらに問い合わせ対応やアカウント管理などの日常的な情シス業務につなげていく。
大和鋼管工業におけるzoobaの導入は、SaaS管理を起点として、こうした情シス業務の効率化を進めるための取り組みと言える。
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