日本取引所、金融市場の取引システム運用監視にAIを導入 精度97%を実現した方法

システムの複雑化に伴い、障害対応の属人化が深刻化している。そうした中、JPXと日立は金融市場における取引システムの運用監視業務にAIの本格適用を開始した。ミッションクリティカルなシステム運用にAIを組み込む上で最大の障壁となるハルシネーションのリスクにどのように向き合っているのか。

 企業のITインフラが高度化・大規模化するにつれて、発生するアラートの量と種類は増え続けている。日々の安定稼働を維持する上で大きな課題となっているのが、障害検知直後の「初動判断の属人化」だ。

 過去の障害事例やトラブルシューティングの手順書を蓄積していても、膨大なマニュアルから「目の前のアラートに合致する適切な手順」を即座に選定する作業は、長年の経験を持つ熟練オペレーターの暗黙知に依存しやすい。IT人材の獲得難や世代交代が進む中で、特定の人員に判断が集中する体制は対応品質のばらつきや現場の疲弊を招く要因となっている。

金融市場の取引システム監視 97%の判断精度をどう実現した?

 日本取引所グループ(以下、JPX)と日立製作所(以下、日立)は、2026年10月から国内金融市場の取引システム運用監視業務における「JP1 Cloud Service 生成 AI アシスタント」の本格適用を開始した。株式やデリバティブ取引を担う40以上のシステムを集中監視する現場で運用を進めている。

 ミッションクリティカルなシステム運用にAIを組み込む上で最大の障壁となるのが、回答の不正確さやハルシネーションのリスクだ。JPXと日立は実運用を想定したPoCにおいて、AIを使った判断で97%以上の精度を実現した。

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