サーバ統合・集約やデータセンタ活用による需要拡大。2010年度、回復が見込まれているPCサーバのシェア情報を紹介する。
ノークリサーチの調べによれば、2009年度のPCサーバ市場は、前年比で台数が5.8%減の50万4306台、金額が7.4%減の2606億円と、2年連続マイナス成長となった。
景況の悪化がIT投資を減速させたが、一部ITサービスなどのネット系企業の需要が数年間堅調を維持している他、09年度下期は医療分野や金融業などでの需要が比較的堅調だった。更に09年末から年度末にかけては、文教市場の特需に加え、製造業などの需要が戻り始めたことで、下期は前年比で台数が4.1%増に転じた。
出荷金額は、出荷台数の減少で前年比マイナスとなったが、全体的には低価格化は下げ止まりで、単価は上昇傾向にある。ラック型の高機能サーバに需要の中心が移ってきている。
2009年度の市場占有率(出荷台数ベース)を見ると、NECが市場に合わせた豊富な製品投入に加え、文教や流通の大手案件やデータセンタ需要、医療など特定業界向けに幅広いチャネルで拡販し、26.8%で1位を維持している。2位の日本HPは23.0%で、首位に3.8ポイント差をつけられた。また、富士通が19.6%で、デルを抜いて3位に浮上した。全社一丸となった販売体制、支援策の強化などが奏功した。
2010年度は、サーバ統合・集約やデータセンタ活用による需要拡大、景気の底打ち感によるIT投資凍結の一部解除の機運、2006年以前導入のサーバのリプレース需要の期待などから、52万台程度までの回復が見込まれている。
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