2010年度、ライセンス料とサポート料を合わせた金額が772億円であった「大規模企業向けERP」。シェア情報を紹介する。
富士キメラ総研の調べによれば、2010年度の大規模企業向けERP市場は数量(導入社数)が880社、ライセンス料とサポート料を合わせた金額が772億円であった。国内市場は成熟期を迎えているため、新規導入が大幅に増える余地は少ない。ただし導入企業にとっては必要不可欠なシステムで、長期的計画に基づいて導入を進めていることもあり、外的要因による影響は比較的軽微で市場動向は安定している。ただし、震災の影響によりプロジェクトの順延といった事象が発生している。また、基幹システムという性格上クラウドへのニーズは低いものの、震災を契機として事業継続の観点からクラウドを見直す動きが見られており、今後導入を検討する企業が増えるものとみられる。
2010年度の市場占有率を見ると、数量で1位のベンダーは278社で31.6%であった。一方、金額ベースでは、1位のベンダーは263億円で34.1%を獲得した。IFRSなどへの対応を強化することで、グローバル化やガバナンス強化を指向する企業ニーズに応える戦略を展開している。
企業のグローバル化により世界各地の商慣行や法制度に対応した製品への需要が高まるとみられている。東日本大震災の教訓として生産・物流拠点などを海外へ分散する動きが活発になると見られ、ERPパッケージへの需要が拡大すると考えられている。
,(出典:富士キメラ総研)
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