複数の拠点を持つ製造業を中心に拡大する「WAN高速化製品」市場。拠点間での高速化ニーズが高まる中、シェアトップのベンダーは?
富士キメラ総研の調べによれば、2011年度のWAN高速化製品市場は、数量が5500台、金額が60億円と見込まれる。当該製品は回線増強にコストをかけずWAN高速化や最適化が実現できることから、リーマンショック以降の不況下においても市場が拡大した。
特に海外や国内に複数の拠点を持つ製造業などの企業を中心に導入が進んだ。景気が回復してきた近年は、コスト削減やITリソースの効率化を目的とした仮想化ソリューションなどによるサーバやストレージの統合に対する機運が高まっており、統合後のセンタと拠点間での高速化ニーズが顕在化した。
2011年度の市場占有率(見込み、金額ベース)を見ると、専業ベンダーとして大規模案件に強みを持ち、大〜中規模案件を中心に引き続き販売が拡大した1位のベンダーが51.7%を獲得するとみられる。ネットワークサービスベンダーのWANサービスと組み合わせた販売が堅調である他、従来のNIerを中心としたチャネルやSIer経由での販売も順調に増加した。
当該製品は主にエンタープライズにおける拠点間の高速化に利用されるため、ほとんどがエンタープライズ需要である。キャリアやISP向けとしては、DRを目的としたバックアップにおけるデータセンター間の高速化ニーズが徐々に見られる。また、仮想アプライアンスの浸透やクラウドサービスの高速化ニーズの高まりにより徐々に導入が進むことが予測される。
,(出典:富士キメラ総研)
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