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ついに本格普及か? 「Windows 8タブレット」活用のカギIT導入完全ガイド(1/4 ページ)

企業活用進む「Windows 8タブレット」はオプション製品にも注意が必要だ。Windows 8タブレット9社の性能早見表も紹介する。

» 2014年09月22日 10時00分 公開
[二瓶 朗グラムワークス]

 国内タブレット市場は、個人向け需要が落ち着きをみせ、次の段階として法人向けタブレット需要が拡大しつつある。そしてその中でも、OSにWindows 8(8.1)を搭載した「Windows 8タブレット」の存在が大きくなった。

 今回は、各社がリリースするWindows 8タブレットの主なスペックや特徴を一覧表にまとめて紹介していくとともに、Windows 8タブレットの特性とビジネスシーンにおけるメリットをあらためて整理し、製品選びのポイントについても紹介したい。

Windows 8タブレットが支持される背景とは

 IT専門調査会社のIDC Japanによれば、2014年第1四半期の国内のタブレット出荷台数は前年比12.3%増の212万台で、このうち法人向けタブレット端末の出荷台数は70万台、同比115.9%増となった。法人向けが伸びた要素の1つとして「Windows 8タブレット」が挙げられるが、昨今急速に支持されつつある背景はどのようなところにあるのだろうか。

 まず、簡単にWindows 8タブレットについて解説しよう。Windows 8タブレットに細かい製品定義はない。基本的にはPCと同じアーキテクチャなので、Windows 8搭載PCの中でタブレット形状として使えるものがWindows 8タブレットということになる。

 Windows 8は2012年10月に一般向けに発売された、タッチ操作を意識して開発された最新のWindowsだ。なおここでは便宜上、Windows 8タブレットと表記しているが、2014年9月上旬時点でWindows 8は数回のマイナーバージョンアップを経て、「Windows 8.1 Update」となっている。

 Windows 8タブレットは、その形状とタッチ操作が主体となること以外は、従来のWindows PCと同様に使用できる。タブレット形態の他に、キーボードやマウスを接続して使うことも可能で、最初から取り外し可能なキーボードが付属する「2in1」スタイルのWindows 8タブレットも少なくない。

 既存の周辺機器も、Windows 8対応ならば問題なく動作する。もちろんWindows PC対応ソフトが動作し、それらで作成した文書やデータもそのまま使える。「Microsoft Office」製品が広く使われてきたビジネスの現場で、Windows 8タブレットを使うことが障害になることはほぼない。

 ここ数年で注目されるキーワードとして「ワークスタイルの変革」がある。ネット接続インフラが充実し、スマートデバイス(スマートフォンやタブレット、フィーチャーフォンなど)が普及したことによって、いつでもどこでもネットに接続して情報を得たり共有したりということが容易となり、場所にとらわれないワークスタイルが確立した。

 まず、メールやスケジューラがスマートデバイスで利用できるようになり、次いで文書の電子化によってペーパーレス化が進んだ。スマートデバイスを使った遠隔会議も一般化した。最近では、契約業務を行ったり、基幹系業務システムに接続したりという業務も、スマートデバイスでこなせるようになってきた。

 前述した通り、Windows 8タブレットはWindows PC同等の機能があり、従来使われてきた「Active Directory」にも対応(Windows RT搭載モデル除く)する。セキュリティを確保しながらの業務利用が容易な端末だ。

 さらに背中を押す要因が、2014年4月にサポートが終了した「Windows XP」の存在だ。今、Windows PCを導入するのであればWindows 8/8.1を搭載したPCを選択するのが現実的だ。また、OSの特性と昨今のワークスタイルに合わせるなら、デスクトップPCよりもノートPCやモバイルノートPCが適している。そこにさらなる機動性を求めるならば、Windows 8タブレットという流れが本格化しているようだ。

 こうした流れを後押しするのが、ここ数年でスマートデバイスの使用が一般化したことによって、エンドユーザーが業務でタブレット端末を利用することに抵抗感がなくなっていることだ。また、数年前から既にAndroidタブレットや、iPadを業務用端末として採用する企業も少なくない。

 だが、業務をこなす上では「脱Windows PC」はやはり難しいようで、結局それらの端末とWindows PCを併用することとなり、そこからの脱却という意味でもWindows 8タブレットが選ばれているのだ。

Windows 8タブレットのメリット

  • スマートデバイスとしてワークスタイルを選ばない
  • Windows PCそのままの操作+タッチによる操作が可能
  • オフィス業務に必須のMicrosoft Officeがそのまま使える
  • 周辺機器、ソフト、文書、データなどの蓄積された資産をそのまま使える
  • 業務システムへの親和性が高く、対応が容易
  • Active Directory対応なので従来のPCと同様の管理が可能
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