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» 2014年10月16日 10時00分 公開

2014年、ネットワーク機器進化論すご腕アナリスト市場予測(4/5 ページ)

[草野賢一,IDC Japan]

無線LAN機器市場は一般企業向けで50%超の急成長

 無線LAN機器市場はネットワーク領域で最も急成長が続いている。2013年は、市場全体では前年比成長率24.3%、市場規模は216億1800万円にのぼった。その成長をけん引したのが官公庁、教育を含む一般企業向け市場の伸びで、売上額は190億9200万円、前年比成長率は51.8%と大きく拡大した。無線LANは既に企業の一部で使われる特殊なネットワークではなくなり、企業ネットワークの主要技術としての地位を確立しようとしているようだ。

 一方、公衆無線LANサービス向け製品は、通信事業者によるアクセスポイント設置が一巡したことにより、前年比成長率マイナス47.4%と大幅に減少している。通信事業者向けの製品に強いアルバネットワークスとラッカスワイヤレスはシェアを下げた。

 市場トップのシスコシステムズが大企業を中心にシェアを大きく伸ばしているのが目立つが、上位ベンダーの多くが2桁の成長を達成している。

 IDCでは2013年〜2018年の売上額の年間平均成長率(CAGR)を5.3%と予測している。一般企業向け製品が最大の成長促進要因と見る。

無線LAN機器の種類は?

 なお、無線LAN製品の提供形態は、少々分かりにくいところがあるかもしれない。IDCでは表1のような製品の分類を行っているので、参考にしていただければ幸いだ。

企業向け無線LAN製品提供形態 表1 企業向け無線LAN製品提供形態(出典:IDC Japan)

 種類の違いは管理の仕組みの違いと考えてよい。AP(アクセスポイント)単体を個々に管理する「独立型AP」、制御機能を除いて軽量化したAPを専用コントローラーで集中管理、制御する「従属型AP+コントローラー」、AP内にコントローラー機能を内蔵した「コントローラー機能付きAP」、コントローラーにクラウドサービスを使いブラウザから制御操作ができる「クラウド型」、ソフトウェアとネットワーク機器で制御する「専用コントローラーレス集中管理型」の種類がある。管理AP数、管理技術者の利便性、機能、コストの観点で選択肢が選べる状況になっている。

 求められている制御機能は「設定の一元化」「APの状態管理」「電波状態の可視化」「各種仕様対応の端末混在環境での合理的な電波振り分け」などが主なもの。音声系では「ローミングの品質」や「シングルチャネル化」などが注目されているようだ。こうした機能を中心にベンダーのソリューションが進化してきている。ただし管理品質を求めるとコストとの調和がとれなくなる可能性もあり、慎重な検討が望まれる。

IEEE 802.11ac対応で変わることは?

 無線LANのホットな話題が1.3Gbpsの伝送速度を実現する「IEEE 802.11ac」仕様だ。第1世代の「Wave1」対応製品が市販されており、2015年以降に第2世代の伝送速度6Gbpsを実現する「Wave2」が登場する。「Wave1」対応製品については2013年から2014年にかけて企業向けAP市場でも、出荷台数の10%前後を占めている。

 ただし、一般的なオフィス業務用途でそこまでの高速化が必要か否かは議論があるところだろう。現実的には最大600Mbpsの伝送速度のIEEE 802.11n仕様の既存機器で間にあうケースが今のところ多いと思われる。将来の端末利用環境が今とあまり変わらないと予想する場合は、Web会議など広帯域を利用するアプリケーションが多いケース以外では不必要かもしれない。

 とはいえ、既にデスクトップPCが有線LANポートを持たないモバイルPCに変更されるケースは珍しくなくなり、スマートフォンやタブレットを含めて1人が複数台の無線LAN端末を持つ時代が到来している。各種の周辺機器やネットワークカメラ、設備管理システムなども無線LANを使ったデータ伝送をするようになっており、無線LAN端末数は急速に増加している。

 この傾向はこれから当分変わりそうにない。同じオフィススペースでも、無線LANの接続数が倍々ゲームのように増えることになると、無線LANの帯域は今まで通りというわけにはいかない。帯域に余裕があるIEEE 802.11acは、無線LAN端末の高密度環境に対応するための対策としての役割にこそ注目したい。

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