Chrome OSの特性により、Chromebookは、OSにMicrosoft「Windows」やApple「OS X」を採用している従来のノートPCとは単純には比較できないデバイスではあるが、あえてそのメリット(製品の特長)とデメリット(製品使用時に中止すべき点)を比べてみると、以下のように整理できる。
Chrome OSは基本的に全ての操作をWebブラウザ上で実行する。Webブラウザさえ動作すればよいので、ハードウェア的に過剰なスペックを必要としない。ミドルクラス未満のCPU(Intel製CPUならCore MシリーズやCeleronシリーズ、モバイル機器向けのARMプロセッサーなど)しか必要としないし、搭載メモリも2〜4GB程度で十分だ。
ファイルやユーザーのデータの保存にはクラウドストレージを利用するので、内蔵ストレージも小容量(16GB程度のSSD)で済む。その結果、ハードウェアを構成する部材が低価格で済むこととなり、製品価格も低くなる傾向にある。
OS自体がフリーで提供されているため世界的には200〜300ドル、日本では3万〜4万円で購入することが可能となる。ただし、昨今ではOSにWindows 8.1 with Bingを採用するエントリークラスのWindows PCも同程度の低価格帯で販売されている上、実質的な企業での運用には管理ツール「Chrome管理コンソール」が欠かせず(詳細は後述する)、Chromebook1台ごとにライセンス料金が必要となるため、単純に低価格と言い切れるものでもなくなっている。
ただし、他のエントリークラスのPCと比較すると、Chromebookは管理性にも優位性があり、トータルでみると優れているといえるだろう。アプリケーションに関してもWebアプリケーションである「Google Apps」を活用することとなり、Microsoft Officeをはじめとする従来のパッケージソフトと比べれば、ライセンス料金の大幅なコストダウンが見込めるだろう。
Chromebookでは各種の操作はWebアプリケーションでこなすこととなる。Webアプリ上の処理は当然サーバサイドに一任されるので、Chromebookでの処理はほとんどなく、前述した高くないスペックのCPUでも動作が十分に軽く、アプリを複数起動することによるメモリ不足なども発生せず、常に快適に使用できる。
Windowsでは、電源をオンにして起動してからWebブラウザを利用できる状態になるまでさまざまな処理が必要で、数分は必要となる。そのため、ノートPCユーザーは電源を完全にオフにせず、スリープやレジューム(休止)状態にすることも少なくない。Chromebookでは電源がオンになってWebブラウザが起動するまでのプロセスが非常にシンプルで、わずか10秒程度で操作可能な状態になる。もちろん完全に電源オフの状態からだ。Windowsではスリープやレジュームからの復帰はときに失敗することもあるが、そういった心配も少ない。
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