Chromebookの特性を見ていただいたところで、次はビジネスで活用するにあたり欠かせない機能を紹介する。それが「Chrome管理コンソール(Chrome Management Console、CMC)」(以下「管理コンソール」)である。
管理コンソールは、Googleがパートナーベンダーを通じて提供するChromebook専用の管理機能。Webベースの管理ツールで、複数台のChromebookを一括管理することが可能となる。その設定項目は200項目を超える。
もちろん、管理ツールがなくてもChromebook自体を利用することは可能だ。ただし、端末のログイン制限や設定変更の監視やハードウェアの利用制限、アプリの一斉配信、セキュリティポリシーの適用といった、社内における端末の基本的な管理が実行できなくなる。
少なくとも10台以上のChromebookを運用するのであれば、管理ツールの利用は欠かせないだろう。従来のPC管理ツールと比較すると非常にシンプルな仕様になっており、従来の管理ツールでは循環型の運用、管理が必要となる一方で、Chromebookでは設定が全てクラウドで管理され、端末ごとにクラウドからの直接的な管理、運用が可能となっている。
シンプルになっているとはいえ、それはその操作手順。管理可能な項目が従来の管理ツールに劣るわけではない。管理可能な項目の概要は以下の通りだ。
ユーザーポリシーを設定、管理する。利用できるアプリやアクセス可能なURLをブラックリストやホワイトリストでブロックしたり、特定のアプリやプラグインを強制インストールしたりすることも可能だ。
またデバイスに接続できる周辺機器(USBメモリなどの外部記憶装置)の利用を禁止したり許可したりするなどの指定が可能になっている。ユーザーがどのChromebook端末を使用するかを問わずにその設定を管理できるのが大きなメリットとなる。
Chromebookを「キオスクモード」にする設定。キオスクモードにすることで、1台のChromebookを複数の人が「ログインなし」で利用できる。前述したキオスク端末としてChromebookを使う場合にはここから設定する。
Chromebookのデバイス自体のポリシーを設定できる。ログアウト時に全てのデータを消去してローカルにデータを残さない設定にしたり、OSの自動更新を許可したり不許可にしたりといった設定を指定したりできる。クラウドプリンタの設定もここから行う。
管理するChromebookに関して、Wi-FiやVPNといったネットワーク系の設定ができる。
いわゆる「資産管理」機能。登録されているChromebookについて、シリアル番号、現在のステータス、使用しているユーザーの名前、サポート終了日といった情報を確認できる。
管理コンソールで管理するChromebookはネットにつながってさえいればよく、必ずしも社内LANに接続していなければならないということもない。ワークスタイルの変革が叫ばれている昨今、例えば社外でChromebook端末を使う社員がいたとしても、ネットにさえつながっていれば管理担当者がフルタイムで運用、管理できるという大きな利点がある。
また管理者にとっても、Webブラウザから常時管理コンソールを利用できるため、例えば休日に何らかの問題が発生してChromebook端末を遠隔でロックしなければならない事態に陥ったとしても、自宅のPCから管理コンソールにアクセスして処理することができる。
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