315人を対象に「クラウドサービスの利用状況」を調査した。最も利用されるサービスや導入推進する部署などの実態が明らかになった。
キーマンズネットでは、2015年9月2日〜9月14日にかけて「クラウドサービスの利用状況」に関するアンケートを実施した(有効回答数315件)。回答者の顔ぶれは、情報システム部門が全体の43.2%、一般部門が56.8%という構成比だった。
今回、聞いたのは「クラウドサービスに魅力を感じる点/懸念や不安を感じる点」「利用中のサービス」「サービスを選定する上で重要なポイント」など、クラウドサービスの利用状況を把握するための質問だ。その結果、約8割の企業でSaaSを利用していることが明らかとなった。
なお、グラフ内で使用している合計値と合計欄の値が丸め誤差により一致しない場合があるので、事前にご了承いただきたい。
はじめに、「オンプレミスとクラウドサービスにおいてどちらが安全か」と聞いたところ、「オンプレミス」が25.2%、「クラウドサービス」が16.6%、「どちらとも言えない」が58.2%となり、オンプレミスがクラウドに勝る結果となったものの、約6割はどちらとも言えないと考えていることが分かった。
「クラウドに魅力を感じる点」を尋ねたところ、1位が「経費削減(IT投資の軽減)」で50.5%、2位が「運用管理負荷の軽減」で49.8%、3位が「利便性(スマートデバイスなどで簡単アクセスが可能に)」で40.5%、4位が「導入までの期間が短い」で38.3%、5位が「システムの拡張性」で30.5%と続いた(図1-1)。
クラウドサービスの利用によりサーバなどの設備費用や運用管理費が削減できることが、利用側の最も魅力な点として捉えられているようだ。
また、100人以下の中小企業では約3割(32.4%)が「セキュリティ」と答え、1001人以上の大企業の回答数(11.6%)と比べ3倍も多く回答する結果となった。中小企業にとっては自社システムのセキュリティに不安を抱える部分も多く、一方でクラウドサービスはサービス自体にセキュリティ対策も施されているものが多いため、魅力を感じるポイントとなっているようだ。
「クラウドに懸念や不安を感じる点」についても聞いた。その結果、1位は「セキュリティ(不正侵入などの脅威)」で65.2%、2位は「サービスの安定性・継続性(可用性)」で59.7%、3位は「データを外部に預ける心理的不安」で49.8%、4位は「サポート体制」で36.1%、5位が「コンプライアンス」で28.4%と続いた(図1-2)。
セキュリティに最も不安の声が寄せられる結果となったが、加えて、これだけクラウドサービスが普及した今でも約5割(49.8%)もの方がデータを外部に預ける「心理的な不安」を抱えている状況も明らかとなった。
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