複雑化するシステム運用の負荷を「人工知能(AI)」と「ロボット」を使って自動化するサービスが登場。1億円以上の運用コストの60%削減も可能になるという。
ユーザー企業のシステム利用の視点が、クラウドファーストからクラウドマストへと移行している。そのためデータセンターは、クラウドサービスとの親和性を確保し、ユーザー企業に対してきめ細かな運用サービスを提供することが求められている。その中でも人工知能とロボットを使ってシステム運用を自動化する専業の運用サービスベンダーが存在感を増している。企業に劇的な運用コストの低減と運用負荷の軽減をもたらすからだ。
現在、多くのデータセンターが運用サービスをオプションで提供する。内容を見てみると基本的にはインフラ部分を対象とした稼働監視サービスだ。保守のカバー範囲は物理サーバとその上のOSぐらいまで。サイバー攻撃や電気の使用状況などをモニタリングして、何か問題が発生した時にはユーザー企業の担当者にエスカレーションを行い、実際の対応はユーザー企業側で取ることになる。
つまり運用サービスを利用していたとしても、ユーザー企業のシステム運用の現場では人手に頼るさまざまな作業が数多く存在し、障害発生時には至急対応しなければならない場面も少なくないということだ。
しかし、企業システムの規模はどんどん大きくなり、かつ複雑性を増している。さらにIoTの時代に突入した現在では、従来の数千倍以上のデータが発生するともいわれる。アプリケーションを含めたシステム全体の運用までをアウトソーシングしたいというIT部門は多い。
一方で、運用コストはそれ自体が利益を生むものではないため、経営からは常に削減要求が突き付けられる。IT部門は、大規模化や複雑化したシステム全体の運用を、より正確に、より効率よく、より安いコストで実現しなければならないという課題に直面している。
このような状況に人手で対応していくことは、もはや不可能だ。そこで出てくるキーワードが「システム運用の自動化」である。
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