クラウドやセキュリティをどのように捉え、人材育成にどのように取り組むべきか。NTTコミュニケーションズやシステムエグゼの担当者が語る。
IT関連人材を専門とする認定プログラムや教育コンテンツを提供するCompTIAの「CompTIA人材育成サミット2016」が、2016年1月29日に東京・神保町で開催された。「クラウド/セキュリティをどのように捉えどのように取り組むべきか」というテーマで、セミナーの後半では事例も紹介された。
国内企業2社の人材育成モデルの紹介に先立って、コンプティア日本支局シニアコンサルタントの板見谷剛史氏があいさつをし、恒例となっている聴講者どうしの3分間ディスカッションも行われた。非常にホットなテーマとあって、短い間だったがさまざまな意見が飛び交っていた。
はじめにNTTコミュニケーションズ ソリューションサービス部 第一プロジェクトマネジメント部門 第三グループ担当部長の井村宏之氏が登壇し、「国内外のクラウド案件に対応できる人材強化」について紹介した。
NTTグループのグローバルキャリアである同社は、昨今では幅広いICTサービスを提供しており、エンタープライズユーザーを中心にクラウドサービスも積極的に展開している。
同社は2011年、オンプレミスシステムのクラウド化を起点として、グローバルレベルでICT環境の最適化を図り、経営改革への貢献を目指す「グローバルクラウドビジョン」を発表した。グローバルで統一仕様かつ標準化されたサービスメニューを強化・拡充、基幹システムからWebアプリケーションまで幅広く対応できる「グローバルクラウドサービス」をラインアップすることを目指すものだ。
この体制の確立、サービスメニューの提供にあたっては、さまざまな課題が山積みだった。
「ジャングルを切り開いていくような、アグレッシブなエンジニアを多数育てていかなければならないという思いがありました。しかもフルレイヤーの技術に精通し、グローバル対応のために英語も堪能でなければなりません。そのためには、まず社内の価値観を変えていく必要がありました」(井村氏)
井村氏は、クラウド時代の人材が持つ力として、次の4つのポイントを定義した。
NTTコミュニケーションズでは、CompTIAの認定プログラムを活用して、じっくり3年かけてこうした力を社員に付けさせていった。結果、CompTIA資格取得者数は2013年に14人だったものが、2015年には215人まで拡大し、業務理解の深まりや議論の高度化を効果としてあげるスタッフが増えたという。もちろんこれが正確な要因とはいえないことを前置きしながらも、収益は8割増、生産性は3年で約2.5倍に向上したとのことだ
「資格取得や数字の向上を目的としないように、あくまで個人の自己啓発として振る舞うことを心掛けました。楽しく切磋琢磨できるように配慮し、現場で役立つことを示す検証にも気を使いました。管理者が積極的に資格や語学力の取得に取り組むことも重要だと考えています」(井村氏)
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