では「マルチサブキャリア光送受信」の仕組みを見てみよう。
図3上は、従来の波長分割多重方式の周波数利用イメージを示したものだ。光ファイバーが伝送できる波長の範囲を細かく区切り、それぞれを1つの通信チャネルとしている。「キャリア」というのは光源からの光そのもののことと考えればよい。
図3のように、分割数が多ければ多いほどたくさんのチャネルで通信ができる。しかしチャネル間にはそれぞれ隙間があり、またキャリアそのものの幅も広いことに注目してほしい。その1チャネル分の波長範囲の中に、隙間なく信号を埋め込むようにしたのが図3下の「マルチサブキャリア光送受信」技術だ。
色分けされているように、1チャネル分のデータを11本の「サブキャリア」で同時送信する仕組みになっている。チャネル数は増えないが、通信速度が11倍になり、周波数利用効率が高くなる。この手法により、1組の送受信器だけで1Tbpsの伝送が可能になった(図4)。
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