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企業におけるIT投資状況(2017年)/IT部門編IT担当者300人に聞きました(3/3 ページ)

» 2017年04月06日 10時00分 公開
[キーマンズネット]
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IT部門の投資先、2017年度も上位3種は変わらず

 それでは具体的に2017年度、IT予算をどの分野に投資予定なのだろうか。複数回答で回答してもらったところ「PC・モバイル関連製品」25.0%、「サーバ・ストレージ関連製品・サービス」23.6%、「セキュリティ関連製品・サービス」16.8%、「基幹系システム・サービス」「情報系システム・サービス」が同率で15.8%と続く結果となった(図3)。上位3種は前回(2016年度)の調査結果と変化なく、また企業規模・種別を問わず、高い投資意欲が見えた。

 従業員規模に着目すると、特に中小企業で「PC・モバイル関連製品」や「ネットワーク・通信サービス」への投資割合が高く出ていた。モバイルやクラウド活用による生産性の向上とコスト削減が主目的だと推察されるが、前述した「人材不足」という課題への一環として「働き方の多様化」体制の構築に踏み出しているともいえそうだ。

2017年度のIT予算投資先分野 図3 2017年度のIT予算投資先分野

 最後に、自社のIT予算における課題や要望として寄せられたフリーコメントを紹介したい。

  • 基幹システムの開発・運用費が多過ぎることが課題
  • クラウドが増えるにつれて、マシン、OS、Webブラウザのバージョンアップに対応しきれない
  • IT予算が総務部のコストという位置付けになっている。全社の業績に左右されて、計画的な投資ができない
  • 経営層がITを軽視し、予算をほとんどかけていないことがリスクとなっている
  • 実際にトラブルが起きないと、ITの重要度を理解してもらえない
  • IT活用が業務の効率化だけでなく、付加価値を生むということから社内に知らせていこうと思っている
  • IT投資のメリットを定量評価する予定

 IT活用はこれからの企業活動にとって必要不可欠な要素であるにもかかわらず、IT部門に対して経営層やユーザー部門の理解はまだまだ不足しているのが実情だ。しかしながら状況が変わるのを待っているだけでは何も変わらない。上に挙げた回答のように他部門に対して自ら働きかけるIT部門も少なくない。全体ではIT予算が増加傾向にある2017年度、その予算で企業課題にどうアプローチしていくのか、IT部門にも変化が求められる年になるかもしれない。

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