最後に、ユーザー部門で管理するIT予算が今後増減するかどうかについて聞いてみた。その結果約7割の企業が「変わらないと思う」と回答。「増加する(もしくは新しくできる)と思う」との回答はわずか12.3%にとどまった。
図3 ユーザー部門で管理するIT予算の今後
それぞれの理由についてフリーコメントを挙げて見てみよう。
- その他の予算要求に比べ、優先順位が比較的低いため
- 会社の業績が横ばいのため
- 収益が伴わないと、予算の増額は期待できないから
- 今を変えるだけのマンパワーがないから
- やるべき事項が増えているが、全体の予算が減少している
- 顧客への迅速な対応が求められる可能性があり、ユーザーのやりたいことが増えている
- 業務効率化、省力化など何を行うにしてもITが関連するため
- 部門固有の要件を満たすために、新たに予算ができると思う
- グローバル化に向けて増えると思う
- 情報システム部門の業務をユーザー部門に移管するため
- IoTによりITが搭載される機器が増加するため
- 全社的な経費削減要求
- セキュリティ面からも予算が必要といわれるため、ユーザー部門への個別導入分は集約して全社一括管理とする
- ユーザー部門に管理できる人材がいないから
- IT予算は情報システム部門で一括管理するようになったため
- 予算枠はユーザー部門だが、最終決裁前にシステム管理部門にて承認する仕組みになったから
- ITへの投資が過剰であると考えられている。今後は投資額を低く、短期間で対応することを求められるため
- 親会社からのコスト削減圧力が激しいため
「変わらない」「減少する」の理由としては、業績の影響を受けて予算削減の対象になっているという声や、シャドーITに対するセキュリティ面での懸念から情報システム部門の一括管理に切り替える、などの声が聞かれた。反対に「増加する」理由としては、グローバル対応やデジタル変革に向けた積極的なIT投資傾向はもちろん、業務効率化や省力化などコスト削減を見据えたIT投資の意向も多かった。