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瞬時に普及した「Googleドキュメント」、他のOfficeスイートにない特徴とは?クラウド時代のOfficeスイート選定術(3/3 ページ)

» 2017年06月06日 10時00分 公開
[脇本 孝太郎富士ソフト]
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Googleドキュメントの特徴

クラウドとコラボレーション以外にもGoogleドキュメントには多くの特徴がある。

ファイルの変更履歴

 作成したファイルには全ての変更履歴が保存される。例えばGoogleドキュメントで文章を誤って消したり、いろいろな人が文章を加筆修正したりしても、保存されている履歴の文章に復元が可能だ。これは、ファイルがローカルだけに保存されるサービスやソフトウェアでは実現することが難しい特徴の1つだ。

セキュリティ

 クラウドサービスというとセキュリティ面が不安という声も多い。だがGoogleドキュメントは、セキュリティ面についても十分な対応がされている。G Suiteを契約し、かつ社内のメールアドレスをIDにしているとしよう。管理者はその場合、社内ドメインを含むIDだけに、Googleドキュメントのファイル共有範囲を制限できる。これにより、Googleドキュメントのファイルを操作ミスにより組織外の人に共有したとしても、アクセスされることを防ぐことができる。

 Googleドキュメントは、不要なメンバーとの共有を防いだり、編集やダウンロードの禁止、共有の有効期限などの設定を可能にしたりするIRM(Information Rights Management)機能を標準搭載する。社内で機密情報を共有するとき、権限者のみがファイルを編集できるようにして、ファイル共有先のユーザーは閲覧のみに制限できる。またファイルのダウンロードや閲覧に期限を設定することも可能だ。 

 IRMを一般的なファイルサーバで実現しようとすると、技術力や多くの作業だけでなく多額の開発コストが必要なことは容易に想像が付くだろう。Googleドキュメントは、こうした機能をサービスとして利用でき、ユーザー企業側で開発する必要がない。

ソフトウェアのバージョンを気にしない

 Googleドキュメントは、バージョンという考え方がない。少しずつ機能が追加されるため、ユーザーの使い勝手が極端に変化することはない。パッケージソフトウェアのように、定期的にソフトウェアをリプレースする必要がなく、常に最新の機能を使うことができる。

柔軟なファイル形式

 作成したファイルは、必要に応じてMicrosoft Office形式やPDF形式など、さまざまなファイル形式でダウンロードできる。例えば、社内でGoogleドキュメントを使って作成したファイルを社外へ共有する場合は、適切な形式に変換して共有できる。さらに、社外から共有されたMicrosoft OfficeファイルをGoogleドキュメントの形式に変換して保存することも可能で、社外との情報共有を妨げることがない。

ファイルを探す

 クライアントPCやファイルサーバにファイルを保存している場合、ファイルがどこにあるかを覚えておかなければ、探しているファイルにたどり着くことは困難だ。Googleドキュメントで作成したファイルは、Google ドライブに保存されるため、ファイルの場所はそれほど意識しなくてもよい。ファイルには全て独自のURLがあるため、URLで共有したり、探しているファイルのキーワード(タイトルやファイル内の文章、作成者など)で検索したりすれば、簡単にファイルにたどり着くことができる。 

 今回は、Googleドキュメントの特徴について解説した。次回は、Office 365とG Suiteの具体的な違いを、メールシステムを中心に説明する。

著者プロフィール

脇本孝太郎

脇本 孝太郎 富士ソフト

2009年からG Suiteビジネスに従事し、営業およびプリセールスとして活躍している。多種多様な業種のG Suite導入プロジェクトに参画してきた。現在は担当領域を広げ、G Suiteだけでなく「Salesforce」など他のサービスを含めた業務改善やワークスタイル変革について、提案やセミナーのプレゼンターとして活躍している。


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