今回の調査で「業務PCのWindows 10への移行を予定していない」と回答した企業では、今後どのような業務PCを利用するつもりなのだろうか。
尋ねたところ、1位は「その他(マルチデバイス対応のWebアプリケーションに移行するため端末を制限しない、など)」54.4%、2位は同率で「WebアプリケーションとBYODの組み合わせ」「ChromebookのようなWebブラウザOS搭載機」16.5%、4位は「iPadなどのiOS搭載タブレット」5.8%、5位は「Android搭載タブレット」4.9%、6位は「MacbookなどのmacOS機」1.9%と続く結果となった(図3)。
「その他」として寄せられたフリーコメントは大きく次の3つに分類される。
1つ目は「シンクライアント端末の利用」で、OSやアプリケーションをサーバ上での集中管理し、ネットワーク経由でシンクライアント端末に転送するデスクトップ仮想化型の端末運用を想定している声で、同様の回答が多数得られた。
2つ目は「既存OSのサポートが切れるまで使う」という声だ。「既存のWindows 7搭載のノートPCの保守が切れたタイミングで移行計画を検討する」など、当面Windows 7のまま運用することを決めているとの意見が見受けられた。
3つ目は「これから検討する」という企業である。「PCを買い替えるタイミングで、業務で利用するアプリケーションが対応済のOSを使用することになる。現時点ではWindows 10とは決まっていない」「PCを買い替えるタイミングになったとき、業務で利用するアプリケーションが対応している最新のWindows PC」「今は予定していないだけで、選択肢にWindows 10が入っていないわけではない」などの声がこれにあたる。
「業務利用PCについての課題」について聞いた別問でも「古いOSでないと動作しないアプリケーションが残っているため古い環境を捨てられない」といった声が多数聞かれた。
他にもWindows 10のOSアップデートポリシーに不安を感じる声が挙げられる。「Windows 10がアップデートのたびに不具合を起こしている」「Windows 10の安定性に疑問」など、そもそも現状ではWindows 10を信用しきれず、業務OSや端末として採用すべきかどうか判断しきれない、といった企業もあるのだろう。
しかしWindows 7のサポート終了は必ずやってくる。次期OSについて前述した懸念点もあるものの、その点も含めて業務PCおよびアプリケーションをどう整備するか。回答期限は刻一刻と迫ってきている。いずれにせよ早期からの検討が賢明であろう。
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