これらのダッシュボードを活用し、営業データを生かした活動を行った結果、同社の2016年度はインサイドセールスの費用として計上していた施策コストが90%減になった。見込み客を取ってくることは同じでも、データを活用することでスコアリング精度が高くなり、その結果として、例えば100万円かかっていたコストが10万円に圧縮できたことになる。売り上げは昨対比で150%アップした一方で、残業時間は28%ほど減少した。
大きな成果を上げたこのシステムを作成したのは営業事務のメンバーだ。しかも兼業だったという。主業務の営業事務を行いながら、「現場が作り、現場が使う」というスタイルでシステムを構築している。クラウドサービスならば、現場の意志を反映して導入や実現につなげられるのだ。
今後、ウイングアーク1stでは中長期でのクロージングを視野に入れた組織作りを進める。「まだデータが社内に散らばってて、これを統合するという課題がある」(久我氏)というのだ。
最後に久我氏はペイパルの創業者、ピーター・ティール氏の発言を引用する。「人間とコンピュータの補完的な関係はマクロレベルの事象ではない。卓越したビジネスを築く具体的な手段である」。営業データ活用にはまだまだできることがあるのだ。
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