それでは反対にIoT活用に際して課題と感じる点はどこにあるのだろうか。
調査したところ「導入コスト」53.7%、「運用コスト」50.0%とコスト面が上位に挙がり、続いて「専門的な知識を持った人材が不足している」43.0%、「収集データを分析できる人材が不足している」35.0%、「利活用のイメージが湧かない」33.2%と人材面での課題が挙げられた(図2)。
確かにIoT活用には一定のコストがかかる。センシング機器や通信機器などの調達コストやネットワーク回線の利用コスト、収集データの蓄積と分析に掛かるコストに加え、IoTに対応する社内外のシステムやアプリケーションの開発、運用、保守のコストなどが挙げられる。
一方、クラウドの進化によりデータ蓄積に掛かるコストは数年前に比べて格段に安価となり、また拡張性を持つサービス形態が増えている。通信機器も高性能化が進み、かつ安価に提供されるようになってきた。また、IoTの活用企業が増えるのと比例して、IoTプラットフォームや関連サービスを提供する事業者も増えたことにより、数年前に比べ安価で安定したIoT活用が可能となってきているといえよう。
また、この流れは人材不足といった課題にも対応する。企業のIoT活用を支援するコンサルティング企業はもちろん、IoT機器のキッティング作業を代行するサービスなど関連サービスも市場に増えてきている。
企業で導入するにはコスト面での検討が必要不可欠ではあるが、IoTで蓄積した膨大なデータを活用することによる新商品開発や顧客満足度の向上、既存事業を超える新たなビジネスへの広がりなど享受できるメリットも多い。企業にとってIoT活用は検討すべき分野であることに変わりはなさそうだ。
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