いま、多くの企業が、モノではなくコトの市場価値を重視し、ソフトウェアを活用したビジネスや、生産性向上の取り組みに活路を見いだそうとしている。ITインフラにおいても、仮想マシンが登場したことでソフトウェア化が進み、「今や66%近くのハードウェアが削減できるようになったという人もいる」(Helvie氏)という。
では、データセンターの中全体を見るとどうだろうか。Helvie氏は、19インチラックの成り立ちを振り返る。まず、リレーの発明があり、やがてそのリレーを集積したラックが登場、標準規格として定着したのが、1934年だ。現在、米国で広く普及する「19インチラック」という規格はこの時に生まれたもの。
「1934年に作られた19インチラックが今でもわれわれの標準とされている。100年近く昔の規格だ」(Helvie氏)
1934年というと日本では「昭和3年」――戦前の規格がいまだに使われていることになる。
「従来の19インチラックのデザインは冗長で、ケーブリングにも都合がよいわけではない。ハードウェアメンテナンス面での課題もある。温度や湿度管理の面から見てもシビアな規格」(Helvie氏)
一方のOCPでは、ラックそのものや電源も現代的なデータセンターの要件に併せて設計し直した21インチラックをOpenRackとして標準化を推進している。ポイントはデータセンターに集約することを前提に全てを再設計していることだ。集約率が高まることを前提に熱処理のための空間を確保し、電源装置をラックと一体化することで、メンテナンスを省力化するために配線をシンプルにするといった工夫を凝らしてある。
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