Sansanが提供している個人、小規模事業者向けの無料名刺管理アプリ「Eight」は、自分の名刺や交換した相手の名刺をスマホで撮影して登録し、それぞれの名刺の名前や企業名、メールアドレスを契機としてさまざまな人とつながることのできるサービスだ。エンタープライズの分野で活用する、有料の名刺管理ツールと何が違うのだろうか。
Eightは名刺を介したSNSの一種であり、名刺管理ツールのように名刺を企業の資産として活用するシステムではない。あくまで名刺を介して「個人的なつながり」を確立するサービスであって、共有の範囲は決められるものの、一般的なSNSと同様に登録した名刺は、サービス内はもちろん、広くネットに公開されることとなる。よって、自分のネットワークを広げたいという要望にはマッチしたツールだ。一方、本稿で紹介したようなエンタープライズで利用する名刺管理ツールは個人情報を守りながらそのデータを企業が有効に使っていくための手段となる。その相違点を理解して、適材適所に使いこなしていく必要があるだろう。
以上のように、名刺管理ツールの導入と運用では、名刺と法律の関係や、名刺管理ツールを定着させるための知識も知っておきたいポイントとなる。各ツールの機能だけに注目するのではなく、自社のビジョンやポリシー、用途にあった名刺管理ツールの導入と運用を実現したい。
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