各種センサーとAIを搭載した自動運転車は、自動車メーカーのみならずテック系企業も参入し、研究開発にシノギを削っている。テック系の最先鋒といえばグーグルであり、もちろん自動運転車の開発を進めていることがちょいちょい話題になっている。
「グーグルが参入するならアップルもだよね?」と多くの人が思うのは当然だろう。だが、は特にその事実を正式に公開するでもなく、「テスト走行の許可申請がどこどこであった」「テスト車両らしきクルマを見た」といった状況証拠によって自動運転車の開発が推測されていた。
あまりにも明らかにならないので、ニュース媒体によっては「アップルは自動運転車を諦めた」と報道するほどだ。しかし、ひょんなことからアップルの自動運転車の存在が明らかになったのだ。それは一体?
米カリフォルニア州車両管理局が2018年8月31日にある報告書を公表した。「8月24日、同州サニーベール市で、高速道路に低速で合流しようとしていた1台の自動車が後続の自動車に追突された。レクサスRX450Hは時速1マイル以下で走行し、キファーロードからローレンスエクスプレスウェイに合流しようとしていた。同車両は合流のため、安全な車間距離を取ろうとしていた。そこに日産リーフが時速約1.5マイルで追突した。負傷者はナシ」
だがサニーベールといえば、アップル本社があるクパチーノのすぐそばだ。そしてレクサスの登録情報には「所有者はアップル、テスト用の自動運転車」とあった。これまでかたくなに自動運転車の研究について口を閉ざしていたアップルだが、まさかの追突事故によって実車を使った実証実験まで進んでいたことを白日の下にさらされてしまったわけだ。
「これはアップルも何らかのコメントを出さざるを得ないのでは」とマスコミ各社が記者会見を待っているのが、今のところアップルは沈黙したままだ。そもそもAppleは自社製の自動運転車を販売するのか、開発した自動運転システムを自動車メーカーに販売するのか、それとも提携するのかなど根本的なことをまったく明確にしていないのだ。
結局のところ「開発中であるようだ」という状況証拠が1つ積み上がっただけということになりそうだ。公然の秘密は、依然として公然の秘密のまま。特に大きな変化もなさそうだ。
「アップルだから自動運転車を買うぜ」というファンもいるだろう。そういう人向けに「開発中」とか「人工知能に苦心中」「事故ったけど計画に揺るぎなし」みたいなコメントを出したらいいのにと思ったりもするのだが……。
上司X: アップルの自動運転テスト車が事故に遭って、実験しているのがバレたという話だよ。
ブラックピット: バレたと言っても前々から実験しているウワサはあったわけでしょう?
上司X: うむ、カリフォルニア州の車両管理局にキッチリ申請が出ているからな。それによれば2018年7月時点で66台の自動運転テスト車とテストドライバー100人超の氏名が登録されている。
ブラックピット: つまりは公然の秘密ってところでしょうね。
上司X: 特に「アップルでーす」とクルマに旗を掲げてテストをしているわけでもないだろうしな。今さらバレて何がどうなるワケでもないか。実情を聞きたいとこだけどなあ。
ブラックピット: シリコンバレーの皆さんとしては、事故が発表されたことで「ああ、やっぱりね」というような感想を持ったのではないかと。
上司X: だったら「アップルも少しは言及してもいいんじゃないかね?」と思わないでもないが。事故の後も平常運転なんだよ。
ブラックピット: 自動運転車に限らず、アップルは開発中の次期製品について、まず言及しませんからね。
上司X: アップルの製品発表と発売日の間隔は極めて短いのが一般的だ。製品を発表して即発売なんてことも珍しくはない。だから自動運転車が事故ろうが爆発しようが発売できる発売できる状況にならない限りは何も変わらないってことか。
年齢:36歳(独身)
所属:某企業SE(入社6年目)
昔レーサーに憧れ、夢見ていたが断念した経歴を持つ(中学生の時にゲームセンターのレーシングゲームで全国1位を取り、なんとなく自分ならイケる気がしてしまった)。愛車は黒のスカイライン。憧れはGTR。車とF1観戦が趣味。笑いはもっぱらシュールなネタが好き。
年齢:46歳
所属:某企業システム部長(かなりのITベテラン)
中学生のときに秋葉原のBit-INN(ビットイン)で見たTK-80に魅せられITの世界に入る。以来ITひと筋。もともと車が趣味だったが、ブラックピットの影響で、つい最近F1にはまる。愛車はGTR(でも中古らしい)。人懐っこく、面倒見が良い性格。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
製品カタログや技術資料、導入事例など、IT導入の課題解決に役立つ資料を簡単に入手できます。