ライセンス監査対応の実態について見てきたところで、実際に監査後にソフトウェアベンダーからどのような要求があったのかについても調査のなかで尋ねている。その結果、40.1%が「追加請求があった(ライセンス追加)」と回答し、21.0%が「追加請求があった(権限追加)」と回答、監査を受けた企業の60%強が追加の支払いを求められていたことが明らかになった。
追加請求がこれだけ多く発生する要因の1つとして、「何をもってソフトウェアを使用したと見なされるのか」という考え方が非常に複雑になっていることが考えられる。従来は単純にソフトウェアを利用するユーザー数といったシンプルなメトリックだったものが、今ではアクセスするデバイスや従業員、収益連動、そのアプリケーションで処理したトランザクションなど、さまざまなメトリックがライセンス算出のための基準として用いられるようになっている。これら言葉の定義が曖昧でグレーゾーンとなっているが故に、ライセンス監査の際に新たな追加費用が求められるケースは少なくないのだ。
この使用そのものが複雑になっていることは、実際の調査結果からも明らかになっている。ライセンス契約書上でベンダーとの解釈(定義)の違いを感じた項目について聞いたところ、「使用」に関する解釈が違うと感じた割合がもっとも多く、上位には「パッチ/フィックス」「サポート」「アドオン/カスタマイズ/修正」「ライセンシー」などが挙げられた。
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