同社にBI環境がなかったわけではない。セルフサービス型で、ユーザー部門がおのおのでデータを集めて加工するための、統合データベース基盤「e-Work DB」を整備してきた。
e-Work DBで多くのデータを集約し、ユーザーに解放するデータを1カ所から取得できるように構築したデータベースだ。収集したデータについては、提供前にあらかじめ加工してExcel形式で提供する仕組みにしていた。
このシステムを用意したことで個々の要件毎に個別のユーザーが収集と加工を行ってきた作業を効率よく行えるようになったという。
しかし、このアイデアも利用ユーザーが増えたことで、要求のバリエーションや件数が増え、対応仕切れない状況が生まれた。データ加工に使うマクロ類の開発が追い付かず、既存のマクロのメンテナンスも困難になった。利用者の要求に対応し切れなくなった吉野氏の部門はとうとうユーザー部門からつつきあげに遭うようになってしまった。
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